基本情報技術者試験の科目Bで最大の壁になるのが「擬似言語」ですよね。プログラミング経験がない方にとっては、見慣れない記法と独特の問題形式に戸惑うことも多いと思います。
でも安心してください。擬似言語は正しい手順で学べば、プログラミング未経験者でも十分に得点できる分野です。この記事では、擬似言語の基本的な読み方からトレースのコツ、本番で使える時間配分の戦略まで、科目B攻略に必要なすべてを解説します。
- 擬似言語の記法と読み方の基本を理解できる
- トレース力を確実に伸ばす手書き演習のコツ
- 科目Bの4つの出題パターンと攻略法
- 本番で13問以上正答するための時間配分戦略
基本情報技術者試験の擬似言語の読み方と基礎知識

擬似言語とは何かを正しく理解する
擬似言語とは、基本情報技術者試験の科目Bで使用されるプログラミング言語風の記法です。JavaやPythonのような特定のプログラミング言語ではなく、IPAが試験用に定義した独自の書き方になっています。
なぜ実際のプログラミング言語を使わないのかというと、特定の言語の知識に依存せず「プログラムの論理的な考え方」を問うためです。つまり、擬似言語を読めるようになれば、どの言語にも応用できる本質的な力が身につくということですね。
科目Bの全16問のうち、約12問がアルゴリズムとプログラミング(擬似言語)から出題されます。残りの4問は情報セキュリティです。合格ラインの600点を取るには、擬似言語の問題で安定して得点することが不可欠です。
擬似言語の基本的な記法を押さえる
擬似言語には覚えておくべき基本的な記法があります。最初は見慣れなくて不安になりますが、パターンは限られているのですぐに慣れます。
| 記法 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| ○ 変数名: 型 | 変数の宣言 | ○ count: 整数型 |
| 変数名 ← 値 | 代入 | count ← 0 |
| if (条件) … endif | 条件分岐 | if (count > 10) |
| while (条件) … endwhile | 繰り返し | while (i < n) |
| for (初期値, 条件, 増分) | 回数指定の繰り返し | for (i, 1, i+1, i≦n) |
特に注意したいのは代入の矢印「←」ですね。数学の等号「=」とは違い、右辺の値を左辺の変数に入れるという意味です。「count ← count + 1」は「countの現在の値に1を足した結果をcountに入れ直す」という処理になります。
これらの記法に慣れるコツは、実際のプログラムを何度も読むことです。最初は1行ずつゆっくりで構いません。
科目Bの出題パターンを知っておく
擬似言語の問題は、大きく分けて4つのパターンがあります。パターンを知っておくだけで、問題を見た瞬間に「何を求められているか」がわかるようになります。
- トレース型: 入力値から出力結果を求める
- 穴埋め型: プログラムの空欄を補完する
- 変数追跡型: 特定の時点での変数の値を答える
- 修正・判断型: バグの特定や仕様変更の影響を考える
出題頻度が高いのはトレース型と穴埋め型です。どちらもプログラムの流れを1行ずつ追う力が必要なので、この後解説する「手書きトレース」の練習が直接的な対策になります。
科目Bの出題範囲やより詳しい対策については「基本情報科目B対策|プログラミングが苦手でも合格するコツ」でも解説しているので、あわせて確認してみてくださいね。
配列とループ処理を重点的に理解する
擬似言語の問題で最もよく登場するのが「配列」と「ループ処理」の組み合わせです。配列の要素をループで1つずつ処理していくパターンは、ほぼ毎回出題されると思っていいでしょう。
配列とは、同じ種類のデータを番号付きで並べたものです。たとえば「data[1]=10, data[2]=20, data[3]=30」のように、番号(添字)で各要素にアクセスします。
ループ処理では、forループとwhileループの動きの違いを正確に理解しておくことが重要です。forループは回数が決まっている場合、whileループは条件が満たされるまで繰り返す場合に使われます。特にwhileループは無限ループになる条件を見抜く問題も出るので、ループの終了条件には要注意です。
関数とオブジェクト指向の基本を掴む
近年の科目Bでは、関数呼び出しやオブジェクト指向の概念を含む問題も出題されています。関数は「一連の処理をまとめて名前をつけたもの」で、引数(入力)を受け取って戻り値(出力)を返します。
関数の問題でよくあるのが「再帰呼び出し」です。関数の中で自分自身を呼び出す処理のことで、初めて見ると混乱しがちですよね。再帰を理解するコツは、小さな具体例で手を動かしてトレースすることです。
- 関数: 引数と戻り値の対応を正確に追う
- 再帰: 呼び出しの深さごとに変数の値をメモする
- クラス: インスタンスごとに属性の値が異なる点に注意
オブジェクト指向については、クラスの定義とインスタンスの生成、メソッド呼び出しの基本的な流れが読み取れれば、試験で求められるレベルには十分到達できます。深い設計論まで知る必要はありません。
基本情報技術者試験の擬似言語で得点するための実践トレーニング

手書きトレースが最強の勉強法である理由
擬似言語の攻略で最も効果的な勉強法は、紙とペンを使った「手書きトレース」です。頭の中だけで処理を追おうとすると、変数の値がどんどんこんがらがってしまいます。
手書きトレースのやり方はシンプルです。変数名を列に並べた表を作り、プログラムを1行実行するごとに、変数の値がどう変わったかを書き込んでいきます。
プログラムに登場する変数をすべて列として並べます。配列の場合は各要素を書き出します。
プログラムを上から順に読み、代入が発生したら対応する変数の行に新しい値を書きます。
if文やwhile文の条件式を今の変数値で評価し、真なら中へ、偽なら次へ進みます。
すべての処理が終わった時点での変数の値や出力結果が答えになります。
面倒に感じるかもしれませんが、この「愚直にメモを取る」練習を繰り返すことで、徐々に頭の中だけでもトレースできるようになります。合格者の多くが「トレースの手書き練習が一番効いた」と言っている最強の勉強法です。
よく出るアルゴリズムを押さえておく
擬似言語の問題に登場するアルゴリズムにはパターンがあります。毎回ゼロから読み解くのではなく、よく出るアルゴリズムの「動きの型」を知っておくと、格段に解きやすくなります。
| アルゴリズム | 出題頻度 | 押さえるべきポイント |
|---|---|---|
| 線形探索 | 高 | 配列を先頭から順に比較する |
| 二分探索 | 高 | ソート済み配列の中央から絞り込む |
| バブルソート | 中 | 隣同士を比較して入れ替える |
| 選択ソート | 中 | 最小値を見つけて先頭に持ってくる |
| スタック・キュー | 中 | 後入先出と先入先出の違い |
| 再帰処理 | 高 | 呼び出しの深さと戻り値の追跡 |
これらのアルゴリズムを擬似言語で書かれた状態で読み解けるようになれば、本番で初見の問題に出会っても対応できる力がつきます。アルゴリズムの詳しい攻略法は「基本情報技術者試験のアルゴリズム対策|合格を掴む勉強法を徹底解説」を参考にしてみてください。
過去問とサンプル問題で実戦力を磨く
擬似言語の基本がわかったら、次は実際の問題を解いて実戦力を磨きましょう。科目Bの過去問やIPAが公開しているサンプル問題が最良の教材になります。
ただし、科目Bの公開問題は数が限られています。そこで活用したいのが過去問演習サイトです。たとえば「基本情報 過去問演習」では科目A・科目Bの両方に対応した2,039問を無料で演習でき、カテゴリ別のフィルタリングで擬似言語関連の問題だけを集中的に解くこともできます。
問題を解くときは必ず時間を計って取り組んでください。本番では1問あたり約5分で解く必要があるので、演習の段階からペース感覚を身につけておくことが大切です。
本番の時間配分と捨て問の判断基準
科目Bの試験時間は100分で、全16問を解きます。単純計算で1問あたり約6分ですが、問題の難易度に差があるため、実際には時間配分の戦略が重要です。
合格者に共通する戦略は「13問は確実に解いて、3問は捨てる」というものです。600点の合格ラインを考えると、全問正解する必要はありません。難しすぎる問題に時間をかけるより、解ける問題の正答率を上げる方が効率的です。
問題文を2分読んでもプログラムの目的が理解できない場合は、その問題を飛ばして次に進みましょう。残った時間で戻ってくる方が、焦って間違えるよりも得点効率が上がります。
また、情報セキュリティの4問は擬似言語に比べて解きやすいことが多いので、先に解いて確実に得点を確保する戦略もおすすめです。
まとめ
基本情報技術者試験の擬似言語は、正しい方法で対策すれば確実に得点できる分野です。最後に要点を振り返りましょう。
- 擬似言語の記法は丸暗記不要、問題冒頭で確認できる
- 4つの出題パターンを知っておくと解答の方向性が見える
- 手書きトレースを毎日繰り返すのが最強の勉強法
- 線形探索・二分探索・再帰処理は最重要アルゴリズム
- 本番は13問確実に取る戦略で、難問に固執しない
- 情報セキュリティ4問を先に解いて得点を確保する
擬似言語に苦手意識がある方も、トレースの練習を積み重ねれば必ず解けるようになります。焦らず着実にステップアップしていきましょう。


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