基本情報のRAIDは、「どう保存するか」「何台分を使えるか」「どの故障に耐えられるか」を分けると整理できます。RAID0は分散、RAID1は複製、RAID5は分散パリティ、RAID10はミラーリングと分散の組合せです。
特に注意したいのは、RAID10を「2台まで故障しても大丈夫」とだけ覚えないこと。同じ2台故障でも、ミラーペアの残り方で結果が変わります。この記事では容量の計算例と故障したディスクの組合せから、選択肢を判断する方法を説明します。
- ストライピング・ミラーリング・パリティの役割
- 2TBのディスクを使った方式別の容量計算
- RAID10で継続できる2台故障とできない2台故障
- ディスクの冗長化と過去データの保管の違い
基本情報のRAIDの覚え方

RAIDは複数ディスクの仕組み
RAIDは、複数のディスクを組み合わせて、1つの記憶装置のように扱う技術です。読み書きの並列化による性能向上や、故障に備えた冗長化を狙います。ただし、すべての方式が両方の目的を満たすわけではありません。
まず、ストライピングはデータを分割して複数台へ分散すること、ミラーリングは同じデータを複製すること、と区別しましょう。パリティは失われたデータの再構築に使う計算上の情報で、データ全体のコピーとは異なります。
RAID0は分散するが冗長性ゼロ
RAID0は、ストライピングで複数台に並行して読み書きする方式です。データを複製する領域やパリティ領域を持たないため、同容量のディスクなら合計容量をデータ保存に使えます。
一方、どれか1台が故障すると、そのディスクに分散していたデータが欠けます。残りのディスクだけで元のデータ全体を再構築する冗長性はありません。「0は冗長性ゼロ」と覚えると、速度向上と故障対策を混同しにくくなります。
RAID1は同じデータを複製
RAID1はミラーリングです。ここでは、同容量のディスク2台に同じデータを保存する構成で考えます。1台が故障しても、もう1台に同じ内容が残ります。
2TBを2台用意しても、データを保存できる実効容量は2TBです。物理的な合計は4TBですが、同じ内容を二重に持つので4TBの別々のデータは保存できません。「容量が半分」は、この同容量2台の例のことです。台数や構成条件を見ずにRAID1へ一律に当てはめないようにしましょう。
RAID0とRAID1の基本的な保存方式は、IBMのRAIDレベル解説でも確認できます。
RAID5はパリティも分散する

RAID5は、データとパリティを複数台に分散して保存します。パリティ専用のディスクを1台固定する方式ではありません。ディスク全体でパリティが占める容量の合計が、1台分に相当します。
同容量のディスクがn台なら、実効容量は「1台の容量×(n−1)」です。RAID5は3台以上で構成し、1台の故障時には残りのデータとパリティから失われた部分を再構築できます。再構築が完了する前に、さらにもう1台が故障すると、RAID5の冗長性だけでは全体を復元できません。
書込みにはパリティの計算・更新が伴います。問題文では「分散パリティ」「1台故障への対応」「1台分を差し引く容量」が判断材料になります。基本構成と容量の説明は、バッファローのRAIDモード解説を参照できます。
RAID10はミラーの組を分散
RAID10はRAID1+0とも表し、ミラーリングした組にデータを分散する構成です。本記事では4台を使い、(A1・A2)と(B1・B2)の2つのミラーペアを作る例で説明します。A1とA2は同じ内容、B1とB2も同じ内容を持ち、データはA組とB組に分かれます。
この例では、2TBのディスク4台のうち、保存できる異なるデータは2台分の4TBです。ミラーの複製を持ちながら、組をまたいだ並列アクセスを狙います。「速いからRAID0」と即決せず、問題文にミラーリングの条件もあるか確認してください。
RAID10のミラーペアとストライピングの関係は、DellのRAID10解説に説明されています。故障時は、台数に加えて各ペアに読めるディスクが残るかが重要です。
基本情報のRAID問題の解き方
2TBのディスクで容量を計算
容量問題は、先に使う台数と複製・パリティの分を確認してから計算します。以下は全ディスクが同容量で、管理領域やファイルシステムの分は考慮しない例です。予備ディスクも含めていません。RAID0・5・10は4台、RAID1だけは比較条件を2台としています。
| 方式と条件 | 計算 | 実効容量 | 容量の使い方 |
|---|---|---|---|
| RAID0・2TB×4台 | 2TB×4 | 8TB | 全台分をデータに使う |
| RAID1・2TB×2台 | 2TB×1 | 2TB | 同じデータを2台に保存 |
| RAID5・2TB×4台 | 2TB×(4−1) | 6TB | 合計1台分が分散パリティ |
| RAID10・2TB×4台 | 2TB×(4÷2) | 4TB | 2組それぞれに複製を持つ |
例えば「2TBを4台使い、1台の故障に対応しつつ、RAID0・5・10の中で実効容量を最大にしたい」とあれば、RAID5の6TBが条件を満たします。RAID0は8TBでも故障条件に合わず、RAID10は1台故障に対応できますが実効容量は4TBです。
また、3台で構成したRAID5は3分の2、4台なら4分の3の容量を使えます。「RAID5はいつも75%」ではなく、n−1台分という関係から求めましょう。単位をそろえる読み方は、基本情報技術者試験の計算問題の攻略法でも復習できます。
RAID10は故障するペアを確認

先ほどの4台構成で、(A1・A2)がA組、(B1・B2)がB組です。ここでは故障したディスクからは読めず、故障前はミラーが正常に同期しており、ほかの装置に障害はないものとします。
| 故障したディスク | A組に残るもの | B組に残るもの | 判定 |
|---|---|---|---|
| A1だけ | A2 | B1・B2 | 各組のデータが残り、継続可能 |
| A1とB1 | A2 | B2 | 別ペアの1台ずつなので継続可能 |
| A1とA2 | なし | B1・B2 | A組のデータを失い、全体を継続できない |
| B1とB2 | A1・A2 | なし | B組のデータを失い、全体を継続できない |
判断の軸は、すべてのミラーペアに少なくとも1台ずつ残っているかです。A1とB2が故障した場合も、A2とB1が残るので同じ考え方で判断できます。別ペアが丸ごと残っていても、片方のペアにしかなかったデータの代わりにはなりません。
したがって、この4台のRAID10では「どの1台が故障しても対応できる」「2台故障は組合せ次第」です。RAID5の「どの1台でも対応できる」と比較すると違いが明確になります。故障が時間差で起きても、最初の故障から再構築を終えないうちに同じペアの残りが故障すれば、同様にコピーを失います。
速度と故障条件を分けて読む
選択肢を読むときは、まず保存方式を特定し、容量と故障条件を別々に照合します。「高速化」だけではRAID0と断定できません。RAID5やRAID10にもデータの分散があるため、コピーやパリティの有無まで確認します。
- 分散のみ、同じ内容の複製、分散パリティ、ミラー+分散のどれかを読む
- 使う台数と1台の容量から、保存できる異なるデータの量を求める
- 故障後も全データが残るか、RAID10ならペアごとに確認する
具体的な速度の倍率や、どの方式が常に最速かは、装置や読み書きの条件によって変わります。方式名だけから性能順位を決めず、問題文の前提を優先しましょう。装置を組み合わせた稼働率まで求める問題は、基本情報の稼働率計算と分けて復習すると整理できます。
バックアップとの違いに注意

RAID1・5・10の冗長化は、ディスク故障後もデータを使えるようにするための仕組みです。過去の時点へ戻す機能とは分けて考えます。RAID1でファイルを誤って削除しても、ミラー側が削除前のファイルを履歴として保管してくれるわけではありません。
例えば、昨日の資料を今日上書きした場合、ミラー側も今日の状態になります。昨日の内容へ戻したいなら、その時点のコピーが別に必要です。バックアップでも上書き方式や保存期間次第で戻せる範囲が変わるので、「バックアップがあるから任意の過去へ戻れる」とも限りません。
過去の履歴から戻す考え方は、バッファローの履歴管理バックアップの説明で確認できます。問題文の「ディスク故障後の継続」と「誤削除前のデータへの復元」を分けることがポイントです。
基本情報のRAIDの最終確認
復習では、2TB×4台のRAID5が6TBになる理由と、RAID10でA1・B1の故障には対応できてもA1・A2の故障には対応できない理由を、自分の言葉で説明してみてください。容量は冗長性に使う分、故障は失われるデータの所在から考えれば、数字だけの暗記に頼らず判断できます。


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