2026年度(令和8年度)の基本情報技術者試験で公開された科目B問題を解いてみたものの、IPAの解答例は正答記号だけなので「なぜその答えになるのか」が分からず止まっていませんか。
今回公開された6問は、配列の移動、2の補数、再帰、単方向リスト、One-Hot表現、クラウドサービスのログ管理がテーマです。答えを覚えるより、どこに注目して選択肢を絞るかを理解する方が本番の基本情報対策につながります。
この記事では、2026年度の科目B公開問題を問1から問6まで順に解説し、擬似言語とセキュリティ問題に共通する解き方まで整理します。
- 2026年度の科目B公開問題6問の正答が分かる
- 擬似言語5問をトレースする順序が分かる
- セキュリティ問題で規則を照合するコツが分かる
- 間違えた分野を次の演習へつなげられる
2026年の科目B公開問題を解説

IPAは2026年7月1日、CBT方式で実際に出題した問題の一部を公開しました。科目Bは本番の20問すべてではなく、6問が公開されています。
問題文を見ながら読み進めたい方は、IPAの2026年度問題冊子・解答例を先に開いておくと理解しやすいですね。
公開6問の答えと全体像
正答は問1から順に、エ、カ、ア、エ、イ、ケです。問1〜5はアルゴリズムとプログラミング、問6は情報セキュリティから出題されています。
まずは自分が選んだ答えと照合し、違った問題だけ詳しい解説へ進んでも大丈夫です。
| 問 | テーマ | 正答 | 判断の軸 |
|---|---|---|---|
| 問1 | 配列要素の移動 | エ | 上書きを防ぐ順序 |
| 問2 | 8ビットの補数 | カ | ビット反転後に1を加算 |
| 問3 | 再帰と反復 | ア | 更新後の配列が表す値 |
| 問4 | 単方向リスト | エ | 次の要素番号をたどる |
| 問5 | One-Hot表現 | イ | 元の色と一覧の位置を比較 |
| 問6 | ログのアクセス管理 | ケ | 指定された規則だけを照合 |
問1・2は上書きと補数に注目
問1は、配列の末尾にある値を先頭へ移し、ほかの値を一つずつ後ろへずらす問題です。正答はエの「lenから2まで1ずつ減らす」です。
先頭側から代入すると、まだ移動していない値を上書きしてしまいます。末尾側から data[i] ← data[i-1] を実行すれば、元の値を残したまま順番に移せます。
問2は、8ビット値に加えると桁あふれ後に0になる値、つまり2の補数を作る問題です。正答はカの「x ▽ 11111111」です。
全ビットが1の値との排他的論理和で0と1を反転し、その後にプログラム内の処理で1を加えます。「反転して1を足す」という2の補数の手順に一致します。
代入問題では上書きされる値を、ビット問題では空欄の後に既に書かれている処理まで確認しましょう。
問3は再帰を配列で再現する
問3では、再帰関数が表す「2つ前の値を2倍し、1つ前の値を足す」という関係を、3要素の配列で再現します。正答はアの「2 × data[1] + data[2]」です。
難しく見える原因は、代入によって各要素の役割が途中で変わることです。ループの中で data[1] ← data[2]、data[2] ← data[3] と更新した直後、data[1]は2つ前、data[2]は1つ前の計算結果になっています。
そのため、次の値を作る式は 2 × data[1] + data[2] です。添字iを使う選択肢は、要素数3の配列の外を参照する可能性があるので除外できます。
| 更新後の要素 | 表している値 |
|---|---|
| data[1] | 2つ前の計算結果 |
| data[2] | 1つ前の計算結果 |
| data[3] | これから求める値 |
問4はポインタを順にたどる
問4は、dataListに値、pointerListに次の要素番号を保存した単方向リストを読み取る問題です。正答はエで、aとbの両方がpointerList[p]です。
現在地pの値を結果へ追加した後、pointerList[p]が未定義なら現在地が末尾だと分かります。まだ続きがある場合は、pをpointerList[p]へ更新して次の要素へ移ります。
この問題は配列そのものを左から読むのではなく、ポインタが示す順序で読むのがポイントです。例では要素番号が1→3→2→4と移り、値は10→20→30→40になります。
- 現在地の値を結果へ追加する
- 次のポインタが未定義なら終了する
- 未定義でなければ次の要素番号へ移る
問5は色名と位置を一致させる
問5は、色名を重複のない一覧へまとめ、各色をOne-Hot表現へ変換する問題です。正答はイで、aにはcolors[i]の値、bには「colors[j]がcolorVector[k]と等しい」が入ります。
前半のループは、まだ一覧にない色を見つけたら、その色自体をcolorVectorへ追加します。後半は元の配列のj番目の色と、一覧のk番目の色を比べ、一致した位置だけ1を入れます。
たとえば一覧がRed、Green、Blueの順なら、Redは1・0・0、Greenは0・1・0です。変数名だけを追うより、iは一覧作成、jは変換対象、kは一覧内の位置と役割を書き分けると迷いません。
2026年科目B公開問題の解き方

2026年度の公開問題はテーマが幅広い一方、正答へ進む手順は共通しています。擬似言語では変数の役割を固定し、セキュリティでは設問が指定した規則だけを照合するのが近道です。
ここからは、公開6問を別の問題にも応用できる解き方へまとめます。
問6は規則3だけを照合する
問6は、クラウドサービスのログ管理について、提示された運用のうち「規則3のアクセス管理」に違反するものを選ぶ問題です。正答はケの(二)と(四)です。
(二)は運用担当者が1名だけになっており、規則3の「複数名にする」に反します。(四)はログの保管先である社内ファイルサーバを営業部の全従業員が編集できるため、「運用担当者だけがアクセスできる」に反します。
(一)の古いログの上書きは保存期間や改ざん対策、(三)のUTC記録は日時の項目に関係します。問題文に違反があっても、今回問われた規則3ではないため選びません。
| 運用 | 関係する規則 | 規則3違反か |
|---|---|---|
| 古いログを上書き | 保存期間・改ざん対策 | 選ばない |
| 運用担当者が1名 | アクセス管理 | 選ぶ |
| 日時がUTC | ログの項目 | 選ばない |
| 全員が編集可能な場所へ保管 | アクセス管理 | 選ぶ |
擬似言語は小さくトレースする
科目Bの擬似言語は、頭の中だけで追うと代入前後の値が混ざります。問1なら3要素、問3ならn=3や4のように、条件を満たす最小の入力で1周だけ動かしてみましょう。
最初から全データを追わなくても、選択肢の違いが出るところまで確認できれば十分です。配列の範囲外参照や、更新前の値が消える選択肢も早めに除外できます。
記号や代入の読み方に不安がある方は、基本情報の擬似言語を読む手順で基礎を確認してから戻るとスムーズです。
現在地、1つ前、一覧の位置などを短い言葉で固定します。
代入前と代入後を分け、値がどこへ移るかを確認します。
上書き、範囲外参照、比較方向の不一致がある選択肢を除きます。
セキュリティは対象規則を限定
セキュリティの長文問題では、すべての不備を探すと選び過ぎます。最初に設問を読み、「誰のアクセスか」「保存期間か」「記録項目か」など、問われた規則を一つに絞りましょう。
次に、規則の主語・対象・条件を分けて表へ写します。問6なら「運用担当者だけ」「複数名」「保管先でも同じ制限」という3点を運用状況と照合すれば答えに届きます。
科目Bの長文セキュリティをさらに練習したい方は、科目Bセキュリティ問題の読み方と頻出パターンも参考にしてください。
- 設問を先に読み対象の規則番号を確認する
- 規則を主語・対象・条件に分ける
- 関係しない不備は正しくても選ばない
公開問題を次の演習へつなぐ
2026年度の公開問題は6問だけなので、答えを覚えたところで科目B対策は終わりません。間違えた原因を「知識不足」「値の追跡ミス」「設問条件の見落とし」のどれかに分類し、同じ型の問題を続けて解くことが大切です。
問1〜5で止まったなら、紙に配列や変数の表を書いてもう一度トレースします。問6で選び過ぎたなら、設問が指定した規則に線を引いてから選択肢へ戻る練習をすると改善しやすいですね。
今すぐ問題を解きたい方は、基本情報の過去問アプリで無料演習できます。
- 正解した問題も根拠を一文で説明する
- 間違えた問題は翌日にもう一度解く
- 同じ分野の問題を続けて解いて判断手順を定着させる


コメント