基本情報の順列と組合せは、選んだものを入れ替えたときに別の結果として数えるかで区別します。担当者と副担当者を決めるなら役割が違うので順列、同じ役割のメンバーを選ぶだけなら組合せです。さらに、同じ対象を繰り返し選べるかを確認してから式を決めます。
公式のPとCだけを覚えると、「二人ずつ通信する組」「先頭に0を置けない番号」のように条件が変わったところで迷いやすいですよね。この記事では自作の小さな例を使い、同じ結果を二重に数えない手順、条件付きの数え方、計算後の確かめ方まで整理します。
- 順番を入れ替える確認で順列と組合せを見分けられる
- 重複を許す条件と同じ対象を二重に数えることを区別できる
- 役割・通信の組・先頭条件を式へ落とし込める
- 小さい例の列挙と別の数え方で答えを検算できる
基本情報の順列と組合せの見分け方

入れ替えた結果が違うかを考える
5人の中から、担当者と副担当者を一人ずつ決める場面を考えます。同じ人が二つの役割を兼ねることはできないものとします。担当者がAさん、副担当者がBさんの場合と、その逆の場合は役割の割当てが違うので、二つの結果として数えます。
担当者は5通り、担当者が決まると副担当者は残り4通りです。したがって5×4=20通りです。選んでから順番や役割を付ける数え方が順列に当たります。実際に並べる椅子がなくても、役割や番号の付いた場所へ割り当てるなら順番が意味を持ちます。
一方、同じ5人から同じ役割の連絡係を2人選ぶだけなら、AさんとBさんの組は、BさんとAさんの組と同じです。先ほどの20通りでは各組を2回ずつ数えているため、20÷2=10通りになります。こちらは順番を区別しない組合せです。
問題文に「選ぶ」と書いてあれば必ず組合せ、とは限りません。「代表と副代表を選ぶ」なら役割を区別するからです。計算を始める前に、一つの結果を具体的に作り、二人を入れ替えると別の結果になるかを試すと判断が安定します。
重複を許すかを別に確認する

順番の有無と、同じ対象を繰り返し使えるかは、別々の条件です。例えば、0から3までの4種類の記号を使って長さ3のコードを作り、同じ記号を繰り返してよいとします。各位置で4種類を使えるので、4×4×4=64通りです。先頭の0も認めるコードという条件です。
同じ記号を一度しか使えないなら、1番目が4通り、2番目が3通り、3番目が2通りに減ります。結果は4×3×2=24通りです。順番を区別する点は同じですが、選択肢が減るかどうかで式が変わっています。
ここで「重複」という言葉を混同しないようにしましょう。同じ記号を二度使ってよいという条件と、同じ完成結果を何度も数えてしまう計算ミスは別です。前者は問題のルール、後者は数え方の問題です。例えばコード001は、同じ記号を使った正当な一つのコードになり得ます。
順番を区別せず、同じ種類を何個も選ぶ場合は重複組合せという別の考え方になります。ただし通常のnCrへそのまま置き換えてはいけません。この記事では、まず重複なしの順列・組合せと、重複ありで順番を区別するコードの数え方を確実にし、条件の違いを見落とさないことを優先します。
順列は選択肢を順に掛ける
異なるn個から重複なしでr個を選んで並べる順列は、nPrと書きます。数えるときは、最初がn通り、次がn−1通りと、使った分だけ選択肢を減らしてr個分を掛けます。式はnPr=n×(n−1)×…×(n−r+1)です。
例えば6人から異なる3人へ、受付・案内・記録の役割を一つずつ割り当てるなら、6P3=6×5×4=120通りです。3人を選ぶだけではなく、誰がどの役割かが結果の一部になります。計算の6、5、4がそれぞれ何を選ぶ数なのかを説明できることが大切です。
階乗を使うとnPr=n!÷(n−r)!とも表せます。階乗は正の整数を1まで掛けたもので、5!なら5×4×3×2×1です。ただ、6P3を求めるために6!と3!を別々に大きな数へ計算する必要はありません。共通する積を先に消せば6×5×4だけが残ります。
また「6人全員を並べる」と「6人から3人を並べる」は違います。全員なら6!ですが、3人なら6P3です。使わない3人の並び方まで掛けると余分な結果を数えてしまいます。nとrを問題文へ書き戻し、母集団の個数と、実際に並べる個数を区別しましょう。
組合せは並びの重複を除く

異なるn個から、重複なしでr個を選び、順番を区別しない組合せはnCrと書きます。いったん順番付きで数えたnPrでは、同じr個の組をr!通りの並びで数えています。そこでr!で割り、nCr=nPr÷r!とします。
例えば6人から同じ役割の委員を3人選ぶなら、6C3=(6×5×4)÷(3×2×1)=20通りです。A・B・Cを選んだ一組には、ABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAという6通りの並びがあります。120を3で割るのではなく、3!の6で割る理由は、この並びの数にあります。
計算では掛け算を全部終える前に約分すると扱いやすくなります。6×5×4を3×2で割るなら、6を3で割って2、4を2で割って2とし、2×5×2=20です。大きな階乗を先に計算しない習慣は、電卓なしで解く際の計算ミスも抑えられます。
基本式は、新潟大学の順列と組合せの講義資料でも確認できます。ただし公式の形を覚えるだけで終わらず、「同じ一組を何回数えたので割るのか」を小さい例で説明してみてください。割る数の取り違えを見つける助けになります。
足す場面と掛ける場面を分ける
二段階の選択をどちらも行う場合は、積で数えます。例えば午前の受付を3人から一人、午後の受付を別の4人から一人選ぶなら、午前の各選択に午後の4通りが対応するので3×4=12通りです。二つの候補群は別の人たちとし、午後を選ぶ数は午前の選択によって変わらない条件です。
一方、午前だけの担当方法が3通り、午後だけの担当方法が4通りあり、どちらか一方だけを選ぶなら、場合が重ならないので3+4=7通りです。「そして」に対応する複数段階なのか、互いに重ならない「または」なのかを読むと整理できます。
ただし「または」と書かれていても、二つの場合に同じ結果が含まれれば単純には足せません。例えばAさんを含む組とBさんを含む組を足すと、AさんもBさんも含む組を二度数えます。その場合は、重なる部分を引くか、初めから重ならない場合へ分ける必要があります。
この違いは基本情報の集合演算と人数の数え方ともつながります。数え上げで迷ったら、式を探す前に「どの結果を一つとして数えるか」「場合同士が重ならないか」を確認しましょう。
基本情報の順列と組合せを例題で解く

先頭の条件は先に処理する
0、1、2、3、4の5種類の数字から、同じ数字を繰り返さずに3桁の整数を作るとします。整数なので先頭に0は置けません。百の位は1から4の4通りです。その一つを使った後、十の位は0を含む残り4通り、一の位はさらに残り3通りになるので、4×4×3=48通りです。
5P3=60通りとするだけでは、012のように先頭が0の並びも含めてしまいます。一方で4P3=24通りとすると、今度は0をすべての位置で使えなくしてしまいます。先頭で使えないことと、全体で使えないことを混同しないようにしましょう。
別の数え方でも確かめられます。0を先頭に置くことも含めた5P3は60通りです。そのうち先頭が0の並びでは、残りの二つの位置に1から4を重複なしで並べるので4P2=12通りです。60−12=48となり、先ほどの答えと一致します。
重複を許す条件に変えた場合は、百の位が4通り、十の位と一の位がそれぞれ5通りなので4×5×5=100通りです。条件が一つ変わったとき、どの位置の選択肢が変わるかを見れば、公式を探し直さなくても対応できます。桁数のある整数か、先頭0を認める識別コードかも確認してください。
通信の組は向きと回数を読む
6台の端末があり、異なる2台の組ごとに一つの確認作業をするとします。端末Aと端末Bの組は、BとAの組と同じとします。6台から2台を選ぶ組合せなので、6C2=6×5÷2=15組です。自分自身との組は含めません。
6×5=30とすると、一方の端末から相手を選ぶ形で数えています。この数え方ではAとB、BとAの両方が入るので、向きを区別しない条件なら2で割ります。一般にn台の異なる2台の組はn(n−1)÷2です。式の意味が分かれば、総当たりの試合の組も同じ考え方で数えられます。
条件が「送信元と送信先を区別した要求の種類」なら、AからBとBからAは別になり、6×5=30通りです。また、一組につき作業を2回行うなら、組の数15と作業回数30を区別します。何台か、何組か、何回かという単位を答えへ添えると、求める対象の取り違えに気付きやすくなります。
小さい例で確かめるなら3台に減らします。向きなしの組はAB、AC、BCの3組です。向きありならAB、BA、AC、CA、BC、CBの6通りです。数字だけの式が不安なときほど、三つ程度の対象で列挙すると、2で割る条件を目で確かめられます。
少なくとも一つは反対側を引く

異なる6個の部品があり、そのうち2個が予備用、残り4個が通常用だとします。ここから順番を区別せず3個を選び、予備用を少なくとも1個含める選び方を数えます。同じ部品を繰り返し選ぶことはありません。部品は用途が同じでも個体として区別します。
すべての選び方は6C3=20通りです。条件を満たさないのは、予備用を一つも含めず通常用だけを選ぶ場合です。これは4C3=4通りなので、20−4=16通りになります。「少なくとも一つ」を、全体から「一つもない」を除く形へ変えるのが考え方です。
直接場合分けしても検算できます。予備用をちょうど1個選ぶ場合は2C1×4C2=2×6=12通りです。予備用をちょうど2個選ぶ場合は2C2×4C1=1×4=4通りです。二つの場合は重ならないので足して16通りとなります。
よくある誤りは、最初に予備用を一つ選び、残りから二つを自由に選ぶ数をそのまま答えることです。予備用を二つ含む組が、「どちらを最初に予備用として選んだか」によって重複する場合があります。同じ最終的な3個の組が何回出るかが一定でなければ、単純な割り算で直すこともできません。
同じ動きの並びを経路へ対応させる

格子状の道で、右へ3区画、上へ2区画進む位置へ最短で移動するとします。途中に通行止めはなく、移動は格子の辺に沿うものとします。最短経路では右の移動が3回、上の移動が2回で、合計5回の移動になります。左や下へ戻ると最短ではなくなります。
各経路は「右・上・右・右・上」のような5回の移動順へ対応します。この5か所のうち上へ進む2か所を選べば、残りは右へ進む場所として決まるので、5C2=10通りです。逆に、右へ進む3か所を選んでも5C3=10通りで、同じ答えになります。
5!=120通りとするのは、右への移動3回と上への移動2回をそれぞれ別のものとして区別してしまう数え方です。実際には右同士を入れ替えても同じ経路です。5!÷(3!×2!)=10と、同じ動きの並べ替え分を除く考え方でも確かめられます。
なお、通行止めや必ず通る交差点があるなら、この答えをそのまま使えません。必ず通る点がある場合は、始点からその点までと、その点から終点までの経路数を求め、両方を通る選び方として掛ける方法が使える場合があります。まず自由に動ける格子という前提を確認することが先です。
小さい例で式を検算する
計算後は、問題の条件を再確認し、答えの大きさが不自然でないかも見ます。例えば6人から3人を選ぶ組合せは20通りで、順番を付けた120通りより少なくなります。組合せの答えが順列より大きくなったなら、掛ける数や割る数を取り違えている可能性があります。
組合せは、選ばれる側と選ばれない側を入れ替えても数が同じです。6人から2人を選ぶ方法と、選ばない4人を決める方法は一対一に対応するので、6C2=6C4=15です。rが大きいときはn−rを使うと、掛ける数を少なくできる場合があります。
境界も確認しましょう。全員を選ぶ組は一つ、誰も選ばない組も空の組として一つです。ここを0通りとしてしまうと、場合分けや確率計算で不整合が出ます。一方、候補が3個しかないのに異なる4個を選ぶ条件なら実現できません。式へ入れる前に条件そのものを確かめることが大切です。
自作の確認問題として、7人から議長と書記を一人ずつ決める場合と、役割を付けず2人を選ぶ場合を考えてみてください。同じ人の兼任は認めません。前者は7×6=42通り、後者は7×6÷2=21通りです。差が2倍になる理由を、二人の名前を入れ替えて説明できれば、公式の使い分けを確認できます。
同じ数え方を分母と分子へそろえる確認もできます。赤い球が2個、青い球が4個あり、球は個体として区別し、すべての球が等しい確率で選ばれるとします。元に戻さず2個取り出したとき、両方が赤い確率を考えます。取り出す順番を区別しないなら、全体は6C2=15通り、赤2個の組は2C2=1通りなので1÷15です。
順番を区別して数えるなら、全体は6P2=30通り、赤2個の並びは2P2=2通りなので2÷30です。どちらも1÷15になります。分母を30通りとして分子だけ1通りとするのは、片方で順番を区別し、片方で区別していないため不適切です。確率へ進む場合も、数える結果の単位をそろえるという基本は変わりません。
また「赤赤・赤青・青青の三つだから、赤赤は3分の1」とすることもできません。この三つの色の分類は、含まれる球の組の数が同じではないからです。色の見た目だけにまとめる前に、何を同じ確率の結果として数えているかを確認します。ここまでの計算は、球を等しい確率で選ぶという問題の条件を前提にしています。
次の表は、いずれも対象を個体として区別する場合の整理です。表の式だけを暗記せず、同じ対象を再利用できるか、入れ替えたら結果が変わるかを対応させてください。
| 自作例の条件 | 数え方 | 答え |
|---|---|---|
| 5人から異なる担当と副担当を決める | 5×4 | 20通り |
| 5人から同じ役割の2人を選ぶ | 5×4÷2 | 10通り |
| 4種類を繰り返してよい長さ3のコード | 4×4×4 | 64通り |
| 4種類を繰り返さない長さ3のコード | 4×3×2 | 24通り |
| 6台の向きなしの異なる2台の組 | 6×5÷2 | 15組 |
| 右3回と上2回の最短の移動順 | 5×4÷2 | 10通り |
基本情報の順列と組合せを復習する
解く順番は、結果として何を一つと数えるかを決め、順番や役割を入れ替えると別か、同じ対象を繰り返し使えるかを確かめる、という流れです。その後に先頭条件や必須メンバーなどの制約を整理し、掛ける・足す・重なりを除くのどれが必要かを決めます。
順列なら位置ごとに残る選択肢を掛け、組合せなら同じ一組を数えた並びの数で割ります。少なくとも一つという条件は、全体から一つもない場合を引くと短く数えられることがあります。ただし、いつでも引き算が最短とは限らないので、場合分けと比べて重複しない方法を選びましょう。
範囲全体の優先順位を確認するなら、基本情報で必要な数学の範囲へ戻れます。この記事の役割の割当て、通信の組、先頭0の例を、答えを見ずに一問ずつ数え直すところから始めてみてください。小さい例の列挙と式が一致すれば、条件を読み取る手順を自分で点検できます。


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