基本情報の期待値の求め方を例題で解説!確率を掛けて足す手順

木製のチップを入れた三つの器と、学習用のノートと鉛筆

基本情報の期待値は、起こり得る結果の値に、それぞれの確率を掛けて足すと求められます。確率表に数字がいくつも並んでいても、同じ行や列にある「値と確率」を一組ずつ拾えば、計算の形は変わりません。

ただし、表の値をそのまま平均したり、最も起こりやすい結果を答えたりすると、別の量を求めてしまいます。利益なら大きい方、費用や処理時間なら小さい方を選ぶなど、計算後の判断も問題文に合わせる必要があります。

この記事では、離散的な確率分布から期待値を求める手順を、独自に作成した例題で解説します。値と確率の対応、割合の変換、固定費の扱いを順番に確認し、最後は自分で選択肢を比較できる状態を目指しましょう。期待値は、毎回必ず得られる結果ではありません。

この記事のポイント
  • 確率表を「値・確率・積」の3列に整理できる
  • 単純平均と期待値を使い分けられる
  • 利益と費用で選ぶ方向が変わる理由が分かる
  • 固定費・負の値・未記載の確率を含む問題を見直せる
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目次

基本情報の期待値を求める手順

色の異なるビーズを器と小さなグループに分けた学習机

最初の章では、一つの確率分布から期待値を計算するところまでを扱います。ここで必要なのは、結果の数値、各結果が起こる確率、その掛け算の合計です。数学記号を丸暗記する前に、表のどの数字を組にするのかを押さえてください。

期待値は結果を確率で重み付けする

ある試行の結果として得られる数値をXとすると、その平均的な値を表す量が期待値です。Xのように、結果によって値が決まる変数を「確率変数」と呼びます。例えば、一回の処理にかかる時間、くじで受け取る点数などをXにできます。

有限個の結果を取る場合、基本式はE(X)=x₁×p₁+x₂×p₂+…+xₙ×pₙです。xはそれぞれの結果の値、pはその値になる確率です。Σを使った式を見たときも、「各結果について掛け算をし、それらを全部足す」という同じ操作を指しています。

例えば10点、20点、50点が、それぞれ0.5、0.3、0.2の確率で得られるとします。期待値は10×0.5+20×0.3+50×0.2=5+6+10=21点です。最大の50点だけを見るのでも、最も起こりやすい10点を答えるのでもなく、すべての結果を確率に応じて反映します。

この例では、一回の結果に21点という選択肢はありません。それでも期待値が21点になることに矛盾はありません。期待値は分布全体の平均を表す値であって、一回の試行で実現する値の一覧とは別のものだからです。

離散的な期待値の式は、金沢工業大学の「期待値の求め方」でも確認できます。大阪大学の教材では、平均との関係から期待値を説明しています。

公平な6面のサイコロなら、出る目は1から6で、それぞれの確率は1/6です。期待値は(1+2+3+4+5+6)/6=3.5になります。サイコロに3.5の目はありませんが、分布の平均としては正しい答えです。この例を使うと、「期待値が結果の候補にないから誤り」と考える癖を防げます。

同じ条件で独立に繰り返すとき、試行回数を増やした平均を考えると、期待値の意味をイメージしやすくなります。ただし、6回投げれば各目が一回ずつ出る、100回試せば計算どおりの内訳になる、と決まっているわけではありません。有限回の実際の平均と、確率分布から求める理論上の平均は区別しましょう。

なお、この記事の例題は計算方法を学ぶための架空の設定です。過去問の転載や、現実のサービスの測定結果ではありません。実際の問題では、本文に示された条件と確率を使って同じ手順を組み立てます。

単純平均と加重平均を使い分ける

左右の皿に木製チップを載せた天秤で重みを表すイメージ

期待値が難しく感じる原因の一つは、「平均なら全部足して個数で割る」と考えることです。その計算が使えるのは、並べた結果を同じ重みで扱ってよい場合です。確率が異なるなら、起こりやすい値と起こりにくい値を同じ重みでは扱えません。

先ほどの10点、20点、50点の単純平均は、(10+20+50)/3=約26.67点です。これは三つの結果が各1/3の確率で起こる別の分布なら期待値になります。しかし、指定された確率が0.5、0.3、0.2なら、答えは21点でした。計算の違いは、値ではなく重みの違いから生まれます。

計算方法各値に与える重みこの例での答え
単純平均10点・20点・50点を各1/3約26.67点
期待値10点は0.5、20点は0.3、50点は0.221点

値に重みを掛けてまとめる平均を「加重平均」と呼びます。一般の加重平均は、値×重みの合計を、重みの合計で割ります。期待値では重みに確率を使い、確率の合計が1になるため、最後に割っても値は変わりません。「掛けて足したあと、結果の種類数で割る」という操作は不要です。

確率の代わりに個数が示されたら、その個数を全体の個数で割って確率にします。例えば、10点のカードが5枚、20点が3枚、50点が2枚あり、10枚からどのカードも同じ確率で一枚選ぶなら、確率は5/10、3/10、2/10です。期待値は(10×5+20×3+50×2)/10=21点とも求められます。

ここで割るのは3種類ではなく10枚です。「種類数」と「全体の個数」を混同しないことが大切ですね。同じ値が複数のカードに書かれていても、カードごとに同じ確率で選ばれるなら、その枚数分だけ重みがあります。

一方、実測した10件の処理時間の平均を求めるなら、その10件の値を足して10で割ります。これは観測データの平均です。確率表から求める期待値とは材料が異なりますが、実測データを値ごとの出現頻度にまとめれば、相対度数を重みにした加重平均として同じ計算ができます。

表の見出しに「確率」「割合」「件数」のどれがあるかを確認すると、使う重みが決まります。確率ならそのまま、割合なら0から1の形に直し、件数なら全件数を分母にする。この読み分けを、掛け算の前に済ませてください。

確率表は値・確率・積の3列にする

木製チップと青いビーズを三組のカード上に対応させた様子

一回の処理時間Tが、10ms、20ms、50msのいずれかで、対応する確率が0.5、0.3、0.2だとします。問題が求めるのは「平均処理時間」です。Tは処理時間なので、答えの単位はmsになります。値が何を表しているかを最初に書き出すと、後から金額や確率と取り違えにくくなります。

解き方は、まず同じ行の値と確率を組にし、次に積を計算し、最後に積の列を合計するだけです。表が横向きなら同じ列を一組にします。縦か横かより、見出しに対応した数字を拾うことが重要です。

処理時間T確率P(T)時間×確率
10ms0.510×0.5=5ms
20ms0.320×0.3=6ms
50ms0.250×0.2=10ms
合計1.021ms

E(T)=10×0.5+20×0.3+50×0.2=21msです。各行の5ms、6ms、10msは、結果が起きたときの処理時間を短くした値ではありません。平均を作るために、その結果がどれだけ寄与するかを計算したものです。実際の一回の処理時間は、設定上10ms、20ms、50msのいずれかになります。

次のように手順を固定すると、選択肢の数字に引きずられずに解けます。暗算できる小さな数でも、慣れるまでは積の列を残しておくと、掛ける相手を間違えた箇所が見つかります。

  • 求める量を決める:今回は一回当たりの処理時間
  • 値と確率の対応を確認する:10msと0.5が一組
  • 確率を全部足す:0.5+0.3+0.2=1
  • 各行の値×確率を計算する:5、6、10
  • 積の列を合計し、単位を付ける:21ms

見直しでは、期待値が取り得る値の最小値と最大値の間にあるかも確認しましょう。この例なら10ms以上50ms以下です。確率がすべて0以上で合計1なら、期待値は値の加重平均なので、この範囲を外れません。210msや2.1msになったときは、小数点や割合の変換を疑えます。

値の並び順を変えても、値と確率の組を一緒に移せば答えは変わりません。逆に、値だけを小さい順に並べ替えて確率を元の位置に残すと、別の分布を計算してしまいます。紙に写すときや表を整理するときは、常に一組のまま扱ってください。

確率表だけで平均処理時間を求める問題は、ここまでで完結します。到着率や待ち時間のモデルを追加したり、別の性能公式を持ち込んだりする必要はありません。条件が与えられていない計算を増やすより、表の三列を確実に処理する方が安全です。

百分率・分数・未記載の確率を読む

確率は0から1の数で表します。50%なら0.5、3/10なら0.3、5%なら0.05です。確率表が百分率で書かれている場合、そのまま50を掛けると結果が100倍になるので、百分率を先に直すか、式全体を100で割るかのどちらかに統一しましょう。

表の表示計算に使う確率確認のしかた
50%0.550÷100
5%0.055÷100
3/100.3分子3÷分母10
1/40.25分数のままでも計算できる

処理時間が10ms、20ms、50msで、確率が50%、30%、20%なら、(10×50+20×30+50×20)/100=21msでも計算できます。この形を使ったあと、さらに0.01を掛けると二重に変換してしまいます。「確率を小数に直す方式」と「最後に100で割る方式」は混ぜないでください。

分数が並ぶ表では、無理に小数へ直さなくてもかまいません。2点、6点、10点の確率が1/4、1/2、1/4なら、E(X)=2/4+6/2+10/4=(2+12+10)/4=6点です。共通の分母を使うと、途中で小数を丸めずに計算できます。最後に指定された表示形式へ直しましょう。

確率が一つだけ未記載なら、すべての結果が重複なく列挙されていることを確認してから、1から既知の確率を引きます。10ms、20ms、50msの三つだけが起こり、最初の二つの確率が0.5と0.3なら、残りは1−0.5−0.3=0.2です。

ただし、「成功する確率が0.7」とだけ書かれた問題で、残りを失敗確率0.3とできるのは、成功と失敗がすべての場合を分けているときです。保留や中断など第三の状態があるなら、その条件も必要です。また、「処理が成功した場合に限る割合」は、全試行の確率と同じとは限りません。どの集団を分母にしているかを読んでください。

「1件以上発生する」「2件以上発生する」のような行は、互いに重なる場合があります。この二つを別々の結果として足すと、2件以上のケースを二重計上します。期待値の表では、0件、1件、2件というように、同じ試行を一つの行へ割り当てられる区分にする必要があります。

丸めた割合の合計が99.9%や100.1%になる資料もありますが、試験の正確な条件として合計1を前提にしてよいかは問題文次第です。自分の判断で勝手に確率を調整しないでください。まず写し間違い、百分率と小数の混在、未記載の結果の有無を確認しましょう。

割合や確率の前提から復習したい場合は、基本情報の数学範囲と優先して学ぶ単元を確認すると、期待値をどこに位置付けて学ぶかが整理できます。この記事では、その中の確率表からの計算に集中しています。

基本情報の期待値で選択肢を比べる

同じ高さのチップと異なる高さのチップを入れた二つの器

計算結果が出たら、問題が何を基準に選ばせているかを確認します。「期待利益が最大」と「期待費用が最小」では、正解を選ぶ方向が逆です。数値を求める操作と、その数値を使って決める操作を分けて考えましょう。

利益は最大・費用や時間は最小を選ぶ

企画Aと企画Bの一回当たりの利益を比較する、独自の例題を考えます。好調、通常、不調の三つの状態があり、その確率はどちらの企画も0.2、0.5、0.3です。表の利益には必要な費用がすでに含まれているとします。問われているのは「期待利益が大きい企画」です。

状態確率企画Aの利益企画Bの利益
好調0.280万円50万円
通常0.530万円35万円
不調0.3−20万円0万円

Aの期待利益は80×0.2+30×0.5+(−20)×0.3=16+15−6=25万円です。Bは50×0.2+35×0.5+0×0.3=10+17.5+0=27.5万円です。したがって、この条件で期待利益を最大にするならBを選びます。

Aの最大利益80万円はBの50万円より大きいですが、最大値だけで比べる問題ではありません。Aには不調時の20万円の損失があり、その確率も平均へ反映します。負の値を掛けた積は負のまま足すことがポイントです。損失を絶対値の20万円として加算すると、意味が逆になってしまいます。

一方、平均処理時間を比べる場合は小さい方を選びます。方式Aは10msが0.8、60msが0.2で、E(A)=8+12=20ms。方式Bは常に22msなら、E(B)=22msです。「期待処理時間が最小」ならAになります。利益の問題と同じく大きい方を選ぶと誤答です。

問題が求める基準選ぶ方向計算後に読む言葉
期待利益・期待得点大きい方最大、最も高い
期待費用・期待損失額小さい方最小、最も少ない
平均処理時間小さい方最短、最も速い

金額の表記にも注意が必要です。「損失額20万円」は費用として正の20を使うことがありますが、「利益−20万円」は符号付きの利益です。何の量を計算しているかを統一してから比べてください。同じ表に費用と利益が混在しているなら、足し算の前に求める量へ整理します。

また、問題が「必ず30ms以内に完了する方式」を求めるなら、平均時間だけでは判断できません。先ほどの方式Aは期待値が20msでも、60msになる場合があります。基準が期待値ではなく最大時間や制約になったら、その条件を直接確認します。計算した平均が小さいことと、毎回短いことは同じではありません。

固定費は受取額の期待値から引く

木製チップの一部をトレーから取り分ける手元

期待値の問題では、受け取る金額と、費用を引いた収支が別々に登場することがあります。どちらを求めるかで、計算式が変わります。ここでは仮想の点数交換ゲームを考え、一回の参加料を100円、受取額は500円が確率0.2、0円が確率0.8とします。

受取額Rの期待値は500×0.2+0×0.8=100円です。しかし収支Sは受取額から参加料を引いた値なので、E(S)=100−100=0円になります。この0円は、一回遊ぶと必ず収支が0円になるという意味ではありません。実際の収支は当たれば400円、外れれば−100円です。

結果確率受取額収支=受取額−100円収支×確率
当たり0.2500円400円80円
外れ0.80円−100円−80円
合計1期待受取額100円期待収支0円0円

収支の列から直接求めても、400×0.2+(−100)×0.8=0円です。固定費を後から一回引く方法と、すべての結果の値から費用を引いてから掛ける方法は一致します。式で見ると、(500−100)×0.2+(0−100)×0.8=500×0.2−100×(0.2+0.8)となり、確率の合計が1だから参加料を一回だけ引けます。

よくある誤りは、当たりの500円からだけ100円を引き、外れを0円のまま扱うことです。参加料は外れても支払うので、外れの収支は−100円です。逆に、表が最初から「収支」「利益」を示していて参加料も織り込み済みなら、さらに100円を引くと二重控除になります。

費用が結果によって変わる場合は、一律の固定費としては引けません。例えば、受取額が500円となる場合だけ手数料50円がかかり、受取額0円の場合は手数料なしなら、手数料の期待値は50×0.2=10円です。別に参加料100円を毎回払う条件なら、期待収支は100−10−100=−10円です。

同じ考え方は、検査方式の費用比較にも使えます。方式Aの固定検査費が2万円で、追加作業が発生する確率0.1、その費用が20万円なら期待費用は2+20×0.1=4万円です。方式Bの固定費が3万円、追加作業の確率が0.02なら、3+20×0.02=3.4万円になります。期待費用が小さい方式を選ぶ条件ならBです。

この例の追加作業は、一回の検査について「発生する・しない」の二択としています。何度も追加作業が起きる設定なら、その回数や費用分布も必要です。表にない費用や現実の条件を推測して足さず、問題に指定された評価範囲を守ってください。

確率の欠落と計算ミスを見直す

色の異なるビーズを入れた器と、空の器へビーズを置く手元

途中式と選択肢が合わないとき、足し算を最初からやり直すだけでは原因が見つからないことがあります。まず、表が「重複のない、すべての結果」になっているか、値と確率を正しく組にしたかを確認しましょう。掛け算の前に間違っていれば、足し算を何度やっても正解にはなりません。

気付いた違和感最初に確認する箇所
答えが100倍ほど大きい50%を50として掛けていないか
値の単純平均になっている確率を重みに使ったか
積を足したあとさらに割っている種類数で余計に割っていないか
利益が不自然に大きい負の利益を正にしていないか
確率の合計が1にならない欠落、写し間違い、結果の重複がないか
費用を引くと選択肢から外れる表の値に費用が含まれていないか

分からない確率や値は式に戻す

期待値を求めるだけでなく、期待値から未記載の数を求める問題も、同じ式で解けます。二つの結果だけがあり、10msとなる確率をp、30msとなる確率を1−pとします。期待処理時間が18msなら、10p+30(1−p)=18です。整理すると30−20p=18、p=0.6となります。

このpは確率なので、0以上1以下であることも確認します。さらに10×0.6+30×0.4=18を代入して確かめれば、式と計算の両方を見直せます。0.6を「0.6%」と答えてはいけません。百分率なら60%です。

値が未記載の場合も同じです。10点が確率0.5、20点が0.3、残りの得点xが0.2で、期待値が23点なら、10×0.5+20×0.3+x×0.2=23です。5+6+0.2x=23からx=60点。未知数が確率なのか結果の値なのかで、答えの単位と範囲が変わります。

ただし、未知の確率が二つ以上あり、合計1という条件しかない場合には、分布を一意に決められないことがあります。問題に十分な追加条件がなければ、都合のよい数を補ってはいけません。与えられた関係式を数え、どこまで求められるかを確認します。

期待値が同じなら分布も確認する

方式Cが常に20点、方式Dが0点と40点を各0.5の確率で得るなら、どちらの期待値も20点です。それでも、一回の結果の幅は同じではありません。Cなら20点を必ず得られますが、Dでは0点になることも40点になることもあります。

「期待値が大きいもの」という基準だけなら両者は同点です。「最低10点を確保したい」ならCが条件を満たします。期待値だけを求める問題へ余計な判断基準を持ち込む必要はありませんが、期待値が一致したから結果の特徴まで一致する、と解釈しないようにしましょう。

練習問題で計算と選び方を確認する

ここからの3問は、この記事用のオリジナル練習問題です。選択肢を先に読むだけで済ませず、自分で「値・確率・積」を書いてから答えを確認してください。計算が合っていても、利益と費用の選び方を逆にしていないかが確認点です。

確率表から期待得点を求める

一回のテストで得られる点数Xは、0点が確率0.2、5点が0.5、10点が0.3です。期待得点として適切なのは、ア:5点、イ:5.5点、ウ:7.5点、エ:15点のどれでしょうか。

得点確率得点×確率
0点0.20点
5点0.52.5点
10点0.33点

正解はイの5.5点です。E(X)=0×0.2+5×0.5+10×0.3=5.5点となります。アの5点は三つの値の単純平均でもあり、最も確率が高い得点でもありますが、今回求める期待値とは異なります。エの15点は値を足しただけで、確率を反映していません。

0点の行は積が0ですが、結果としての行は残しておく方が安全です。確率の合計0.2+0.5+0.3=1を確認するために必要であり、後から参加費などを引いた収支を求めるときには、値が負に変わることもあるからです。

期待費用が小さい方式を選ぶ

方式Pは通常時の費用が4万円で確率0.75、追加対応時の総費用が12万円で確率0.25です。方式Qは毎回7万円かかります。期待費用が小さい方式はどちらでしょうか。ここで12万円は追加分だけではなく、その結果の総費用です。

Pの期待費用は4×0.75+12×0.25=3+3=6万円です。Qは必ず7万円なので、7×1=7万円。答えはPです。ただしPは毎回Qより安いわけではなく、12万円になる場合があります。「期待費用が小さい」と「費用が上限以下に必ず収まる」は別の判断です。

Pを4+12×0.25=7万円と計算すると、通常費用4万円と、追加対応時の総費用12万円を二重に扱ってしまいます。固定費に追加分を足す形へ直すなら、追加分は12−4=8万円なので、4+8×0.25=6万円です。総額なのか増分なのかを、表の見出しと問題文で確認してください。

固定費を含む期待収支を求める

一回80円で参加し、受取額は300円が確率0.1、100円が0.2、0円が0.7となるとします。受取額の期待値と収支の期待値をそれぞれ求めてください。

期待受取額は300×0.1+100×0.2+0×0.7=30+20=50円です。参加料は毎回80円なので、期待収支は50−80=−30円になります。受取額50円と収支−30円は、どちらも同じ分布を使った正しい計算ですが、答えている量が違います。

収支を先に整理すると、220円、20円、−80円です。220×0.1+20×0.2+(−80)×0.7=22+4−56=−30円となり、別の手順でも一致します。最初の手順で参加料を引いたあと、この結果からもう一度80円を引かないように注意しましょう。

この練習で間違えたときは、正解の数字だけ覚えるより、原因を一つに絞ってください。「割合を直していない」「表が総額か追加分かを読んでいない」「答える量を取り違えた」などです。同じ数値をもう一度計算し、次に数値や並びが変わった問題で同じ手順を試すと、公式と読み取りのどちらが課題かを区別できます。

基本情報の期待値は表から式へつなぐ

基本情報で確率表から期待値を求めるときは、何の量を平均するのかを決め、値と確率を一組にして、各組の積をすべて足します。確率分布は重複なくすべての結果を表し、確率の合計は1。割合が百分率なら変換し、件数なら全件数を分母にします。

選択肢を比較するときは、利益を最大にしたいのか、費用や時間を最小にしたいのかを先に言葉にしてください。固定費は毎回かかるなら一回分を引き、結果によって変わる費用は各結果に対応させます。表がすでに利益や総費用を示しているなら、同じ費用を重ねて加減しません。

次の演習では、答えだけでなく、値・確率・積の三列と単位を手元に残して解いてみましょう。表から式を作れるようになれば、問題ごとに別の公式を覚える必要はありません。期待値を一回の保証された結果と見なさず、問題が指定する評価基準に沿って使うことまでが解答です。

計算全般の復習の進め方は、基本情報の計算問題を克服する学習法で確認できます。今すぐ問題を解きたい方は、基本情報の過去問アプリで無料演習を使い、解説を読んだあとに自分で式を立て直してみてください。

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