基本情報技術者試験のネットワーク分野で、IPアドレスとサブネットマスクの計算だけ急に手が止まっていませんか。用語は見たことがあるのに、ネットワークアドレスやブロードキャストアドレスを求める段階になると、どこから計算すればいいのか迷いやすいところです。
この記事では、基本情報のIPアドレス計算を、試験で使う順番に分解して解説します。2進数が苦手でも、見れば毎回同じ手順で処理できるように、サブネットマスクの読み方、ネットワークアドレスの求め方、同一サブネットの判断、ミス防止までまとめます。
- IPアドレスとサブネットマスクの役割がわかる
- ネットワークアドレスとブロードキャストを手順で求められる
- /28や/26などのプレフィックス表記を読み替えられる
- 基本情報の過去問で迷いやすい判断ミスを減らせる
基本情報のIPアドレス計算の基礎

IPアドレスとマスクの役割
問題文では「IPアドレス」「サブネットマスク」「プレフィックス長」が別々に書かれることがありますが、見ているものは同じ境界線です。まず境界線を見つける、次に範囲を決める、最後に設問の答え方へ変換する。この順で読むと、用語に振り回されにくくなります。
IPアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するための住所のような番号です。ただし、試験で問われるポイントは「住所を覚えること」ではなく、その住所のどこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部なのかを見分けることです。同じ192.168.10.34でも、サブネットマスクが255.255.255.0なのか、255.255.255.240なのかで、所属する範囲が変わります。ここを曖昧にしたまま問題を解こうとすると、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス、使用可能なホスト数が全部ずれてしまいます。
基本情報のIPアドレス計算では、サブネットマスクを「どのビットまで固定するかを示す印」と考えると理解しやすいです。マスクの1の部分はネットワーク部、0の部分はホスト部です。ネットワーク部が同じ機器同士は同じサブネットにいると判断でき、ホスト部の範囲から使えるアドレス数を考えます。つまり、IPアドレス単体を見るのではなく、IPアドレスとサブネットマスクを必ずセットで読むのが最初のコツですね。
| 項目 | 見るところ | 試験で使う判断 |
|---|---|---|
| IPアドレス | 機器に割り当てられた番号 | どの範囲に属するかを判定する |
| サブネットマスク | ネットワーク部とホスト部の境目 | 固定するビット数を決める |
| ネットワークアドレス | ホスト部をすべて0にした値 | サブネットの先頭を求める |
| ブロードキャスト | ホスト部をすべて1にした値 | サブネットの最後を求める |
2進数に直す理由
IPアドレス計算で2進数が出てくる理由は、コンピュータがIPアドレスを32個のビットで扱っているからです。10進数の192.168.10.34を見るだけだと、人間には区切りよく見えますが、サブネットマスクの境目は必ずしも8ビットごとに来るとは限りません。255.255.255.0なら最後の8ビットだけ見れば済みますが、255.255.255.240や/28のような問題では、最後の1オクテットの途中でネットワーク部とホスト部が分かれます。だから、境目があるオクテットだけは2進数に直して確認する必要があります。
とはいえ、毎回32ビットすべてを書き出す必要はありません。基本情報の試験では、変化する部分だけを2進数にするのが現実的です。たとえば255.255.255.240なら、前の3オクテットは255なので全部ネットワーク部です。見るべきなのは最後の240だけで、240は2進数で11110000です。この時点で、最後のオクテットの上位4ビットがネットワーク部、下位4ビットがホスト部だとわかります。2進数は全部をきれいに変換する技術というより、境目を見つけるための道具だと考えると楽になります。
| 10進数 | 2進数 | 見方 |
|---|---|---|
| 255 | 11111111 | 8ビットすべてネットワーク部 |
| 240 | 11110000 | 上位4ビットがネットワーク部 |
| 224 | 11100000 | 上位3ビットがネットワーク部 |
| 192 | 11000000 | 上位2ビットがネットワーク部 |
n進数そのものが苦手な場合は、先に基本情報のn進数を完全攻略する記事で2進数と10進数の変換を復習しておくと、この先のサブネット計算がかなり読みやすくなります。
ネットワークアドレスの求め方
AND演算という言葉で説明されることもありますが、初学者は「マスクが0の場所は答えも0にする」と置き換えると十分です。試験で大切なのは演算名を唱えることではなく、境目より右側を確実に処理できることです。
ネットワークアドレスは、そのサブネットを代表する先頭のアドレスです。求め方は難しく見えますが、考え方はシンプルで、IPアドレスのホスト部をすべて0にします。たとえばIPアドレスが192.168.10.34、サブネットマスクが255.255.255.240の場合、見るべきなのは最後の34と240です。240は11110000なので、最後のオクテットは上位4ビットがネットワーク部、下位4ビットがホスト部です。34を2進数にすると00100010なので、下位4ビットを0にすれば00100000、つまり10進数で32になります。
この結果、ネットワークアドレスは192.168.10.32です。計算に慣れてくると、/28は16個単位で区切られるので、34は32〜47の範囲に入る、と一気に判断できるようになります。ただ、最初から暗算に頼ると間違えやすいので、はじめは2進数でホスト部を0にする動きを確認してください。特に基本情報の過去問では、選択肢に31、32、34、47のような紛らわしい数字が並ぶことがあります。何となく近い値を選ぶのではなく、「ホスト部を0にする」という根拠で答えるのが大切です。
255でも0でもないサブネットマスクの部分を見ます。
境目があるオクテットだけを8ビットで書きます。
残った値を10進数へ戻せばネットワークアドレスです。
ブロードキャストの考え方
ネットワークアドレスを求めたあとに、同じ範囲の最後を探すと考えるのも有効です。/28なら16個単位なので、32から始まる範囲の最後は47です。2進数でホスト部を1にする方法と、区切り幅から最後を出す方法の両方を確認できると、検算にも使えます。
ブロードキャストアドレスは、そのサブネット内の全端末に向けて通信するときに使われる最後のアドレスです。試験では、ネットワークアドレスと対になる形で問われることが多いですね。求め方はネットワークアドレスと逆で、ホスト部をすべて1にします。先ほどと同じ192.168.10.34/28なら、最後のオクテット34は2進数で00100010です。/28では最後の4ビットがホスト部なので、そこを1111にすると00101111、10進数で47になります。したがってブロードキャストアドレスは192.168.10.47です。
ここで大事なのは、ブロードキャストアドレスも端末に割り当てる通常のアドレスではないという点です。ネットワークアドレスが範囲の先頭、ブロードキャストアドレスが範囲の最後で、その間にある値がホストに割り当てられる候補になります。/28なら1つの範囲は16個ですが、先頭と最後の2個は予約されるため、実際に使えるホスト数は14個です。基本情報の問題では「使用できるホスト数」を聞かれることがあるので、単純に2のホスト部ビット数乗だけで終わらせず、そこから2を引くところまでセットで覚えてください。
- ネットワークアドレスはホスト部をすべて0
- ブロードキャストアドレスはホスト部をすべて1
- 使用可能ホスト数は全組合せから2を引く
- 選択肢に先頭や最後がある場合は割り当て不可を疑う
ホスト数を素早く数える
ホスト数は計算式だけを覚えるより、範囲の先頭と最後が予約されるイメージで覚える方が安全です。選択肢に16と14、64と62のような近い数字が並んだら、試験作成側は「2を引くか」を見ている可能性が高いと考えてください。
ホスト数の問題では、最初にホスト部が何ビットあるかを数えます。IPv4アドレスは全体で32ビットなので、/24ならホスト部は8ビット、/26なら6ビット、/28なら4ビットです。使用可能なホスト数は、2のホスト部ビット数乗から2を引きます。/24なら2の8乗で256、そこから2を引いて254台です。/26なら64から2を引いて62台、/28なら16から2を引いて14台です。この公式だけ見ると暗記に感じますが、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスが使えないから2を引く、と理由までセットにすると忘れにくくなります。
試験本番では、ホスト数を聞かれているのか、サブネット数を聞かれているのかを取り違えないことも重要です。ホスト数は1つのサブネット内で使える端末数です。一方、サブネット数は元のネットワークをいくつに分けたかを見る問題です。どちらも2の累乗を使うため、問題文を読み飛ばすと同じ計算に見えてしまいます。設問に「各サブネットで」「割り当て可能なホスト」「最大何台」とあればホスト数、「いくつのサブネット」「何分割」とあればサブネット数を疑う、という読み分けを作っておくと安定します。
| 表記 | ホスト部 | 全組合せ | 使用可能ホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 8ビット | 256 | 254 |
| /25 | 7ビット | 128 | 126 |
| /26 | 6ビット | 64 | 62 |
| /27 | 5ビット | 32 | 30 |
| /28 | 4ビット | 16 | 14 |
基本情報のIPアドレス計算の解き方

過去問型の手順で解く
練習時は、解答だけでなく途中のメモを残すのがおすすめです。どのオクテットを見たか、区切り幅はいくつか、範囲の先頭と最後は何かを書いておくと、間違えたときに原因を特定できます。復習の質が上がるので、同じミスを繰り返しにくくなります。
基本情報のIPアドレス計算は、毎回違う発想で解こうとすると時間がかかります。おすすめは、問題文を読んだら「IPアドレス」「サブネットマスク」「問われているもの」を先に分けることです。たとえば、IPアドレスが192.168.10.34、サブネットマスクが255.255.255.240、ネットワークアドレスを求める問題なら、必要なのは最後のオクテットだけです。240を2進数にし、34のホスト部を0にして、32に戻す。こうして処理を固定すると、問題文が長くても迷いにくくなります。
もうひとつのコツは、最初から答えを暗算で出そうとしないことです。慣れている人は/28なら16刻み、/26なら64刻みで一気に範囲を見つけますが、初学者がいきなりそれを真似すると、境目を1つずらすミスが出やすいです。まずはサブネットマスクの0の数を確認し、ネットワークアドレスならホスト部0、ブロードキャストならホスト部1、ホスト数なら2のn乗から2、というように、設問ごとに使う動作を選びます。手順を一定にすれば、応用問題でも判断がぶれにくいですね。
IPアドレス、マスク、設問のゴールを先に線引きします。
255でも0でもないオクテットを中心に処理します。
先頭、最後、ホスト数、同一判定のどれを聞かれているか確認します。
/28や/26を読み替える
/28や/26のような表記は、プレフィックス長と呼ばれます。これは、IPアドレス32ビットのうち、先頭から何ビットがネットワーク部なのかを表しています。/24なら先頭24ビットがネットワーク部なので、サブネットマスクは255.255.255.0です。/28なら先頭28ビットがネットワーク部なので、最後のオクテットの上位4ビットまでがネットワーク部となり、サブネットマスクは255.255.255.240になります。プレフィックス表記は短いですが、結局はサブネットマスクを別の形で書いているだけです。
読み替えの練習では、/24を基準にすると楽です。/25なら最後のオクテットで1ビットだけネットワーク部が増えるので128、/26なら2ビット増えて192、/27なら224、/28なら240、/29なら248です。この並びは、128、64、32、16、8を上から足していくと作れます。暗記するだけでも解けますが、重みを足していると理解しておくと、/30や/23のように少し外れた形が出ても対応できます。基本情報では選択肢から選ぶ形式が多いので、この変換表を頭に入れておくだけでもかなり速くなります。
| 表記 | サブネットマスク | 区切り幅 | 使用可能ホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
同一サブネットを判断する
同一サブネット判定は、片方だけ計算して終わらせないことも大切です。必ず2つのIPアドレスを同じルールで処理し、ネットワークアドレス同士を比べます。途中で片方だけ暗算にすると、境界値の問題でミスが出やすくなります。
同一サブネット判定では、2つのIPアドレスが同じネットワークアドレスになるかを確認します。たとえば、192.168.10.34/28と192.168.10.46/28が同じサブネットかを考える場合、/28は16刻みなので、34は32〜47の範囲、46も32〜47の範囲に入ります。どちらもネットワークアドレスは192.168.10.32なので、同一サブネットです。一方、192.168.10.48/28は次の範囲に入り、ネットワークアドレスが192.168.10.48になるため、同一サブネットではありません。
ここで注意したいのは、数字が近いから同じ、遠いから違う、とは言えないことです。境目をまたぐかどうかが判断基準です。/26なら64刻みなので、192.168.10.63と192.168.10.64は隣同士に見えますが、63は0〜63の範囲、64は64〜127の範囲で別サブネットです。逆に、192.168.10.70と192.168.10.120は離れて見えますが、どちらも64〜127の範囲なら同じサブネットになります。基本情報の選択肢では、この「近いのに別」「離れているのに同じ」を狙ってくることがあるので、範囲で判定してください。
2つのIPアドレスをそれぞれネットワークアドレスに直し、結果が同じなら同一サブネットです。数値の近さではなく、サブネットマスクで決まる範囲を見ます。
- 先にプレフィックス長を区切り幅へ変換する
- 各IPアドレスが入る範囲を探す
- 範囲の先頭が同じなら同一サブネット
- 境目の前後は特に慎重に見る
本番で計算ミスを防ぐ
見直しでは、答えそのものを再計算するより、まず選んだ値の性質を確認しましょう。ネットワークアドレスなら区切り幅の倍数になっているか、ブロードキャストなら次のネットワークアドレスの1つ前になっているか、ホスト数なら2を引いた値になっているかを見るだけでも、短時間で誤答を拾えます。
本番で多いミスは、計算そのものの難しさよりも、設問の読み違いです。ネットワークアドレスを聞かれているのに使用可能な最初のホストアドレスを選ぶ、ブロードキャストアドレスを聞かれているのに最後に使えるホストを選ぶ、ホスト数なのにサブネット数を計算する、といったミスですね。IPアドレス計算では、出した数字が何を表しているかを最後に確認するだけで、かなり失点を防げます。選択肢にネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの両方が混ざっている場合は、特に注意してください。

また、2進数に直すときは8桁でそろえることも大切です。34を100010と書いてしまうと、上位の0が見えなくなり、サブネットマスクの位置と対応させにくくなります。00100010のように8ビットで書くと、11110000との対応が一目でわかります。慣れるまでは少し面倒ですが、このひと手間がミス防止になります。計算用紙には、IPアドレス、マスク、求めるもの、範囲の先頭と最後を縦に並べると、途中で何をしているのか見失いにくいですね。
- 10進数の近さだけで同一サブネットと判断する
- ネットワークアドレスを使用可能ホストに含める
- ブロードキャストアドレスを最後のホストとして選ぶ
- 2進数を8桁でそろえず境目をずらす
基本情報のIP計算まとめ
最後に、IPアドレス計算は一度理解しただけでは定着しにくい分野です。/26、/27、/28を使った問題を日を分けて解き、区切り幅を見た瞬間に範囲が浮かぶ状態を目指しましょう。そこまで行けば、ネットワーク分野の計算問題に対する苦手意識はかなり薄くなります。
基本情報のIPアドレス計算は、最初は複雑に見えますが、やることはかなり限られています。サブネットマスクでネットワーク部とホスト部の境目を見つけ、ネットワークアドレスならホスト部を0、ブロードキャストアドレスならホスト部を1、ホスト数なら2のホスト部ビット数乗から2を引く。この3つを押さえれば、多くの問題は同じ流れで処理できます。暗記だけで突破しようとするより、なぜその数字になるのかを1回だけ丁寧に確認しておく方が、本番で迷いにくくなります。
学習の順番としては、まず/24、/25、/26、/27、/28の表を覚え、次にネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを求める練習をします。その後、同一サブネット判定や使用可能ホスト数の問題を混ぜると、知識がつながりやすいです。ネットワーク分野は用語が多くて苦手に感じやすいですが、IPアドレス計算は手順を固定すれば得点源になります。過去問を解くときも、正解したかどうかだけでなく、どの範囲に入ると判断したのかまで復習しておきましょう。
サブネットマスクを見る、境目のオクテットだけ2進数にする、ホスト部を0または1にする、最後に設問の種類を確認する。この順番を毎回同じにすると安定します。
IPアドレス計算を演習したいなら
基本情報の計算問題は、手順を読んだあとに数問だけでも自分で解くと定着しやすくなります。


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