基本情報のWBS・ガントチャート・EVM攻略

基本情報のWBS・ガントチャート・EVMを学ぶための工程管理イメージ

基本情報技術者試験のマネジメント系で、WBS、ガントチャート、EVMが並ぶと急に用語が混ざって見える人は多いです。どれもプロジェクト管理で使う言葉なので、「作業を分ける話なのか」「日程を見る話なのか」「進捗とコストを見る話なのか」が曖昧になりやすいんですね。

ただ、基本情報のWBS・ガントチャート・EVMは、細かい実務知識まで覚えるよりも、問題文の合図を見て正しい用語を選べる状態にすることが大切です。WBSは作業の分解、ガントチャートは日程の見える化、EVMは出来高による進捗とコストの評価、と役割を分けるとかなり整理しやすくなります。

この記事では、基本情報で押さえたいWBS・ガントチャート・EVMの意味、違い、PV・EV・ACの見方、SV・CVの判断までまとめます。暗記だけで終わらせず、選択肢をどう切るかまでつなげて確認していきましょう。

この記事のポイント
  • WBSは作業を階層的に分解するための考え方
  • ガントチャートは作業期間と進捗を横棒で見る図
  • EVMはPV・EV・ACで進捗とコストを評価する手法
  • 問題文の合図を覚えると選択肢を切りやすい
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目次

基本情報のWBS・ガントチャート・EVM基礎

WBSとガントチャートの違いを整理する学習イメージ

WBSは作業を分ける

WBSはWork Breakdown Structureの略で、プロジェクトで必要な作業を階層的に分解するための考え方です。基本情報では、英語名を細かく覚えるよりも、「大きな仕事を小さな作業に分ける」「成果物や作業範囲を整理する」という役割を押さえる方が実戦的ですね。例えば、システム開発という大きな仕事を、要件定義、設計、実装、テスト、移行のように分け、さらにテストを単体テスト、結合テスト、総合テストに分けていくイメージです。

ここで注意したいのは、WBSそのものは日程表ではないという点です。作業を分けると、結果として「どの作業にどれくらい時間がかかるか」を見積もりやすくなりますが、横軸に日付を並べて進捗を表示する図ではありません。問題文に「作業を階層的に分割する」「作業範囲を明確にする」「漏れや重複を防ぐ」といった表現が出たら、まずWBSを疑うとよいかなと思います。

WBSは、作業の一覧を作るだけでなく、プロジェクトのスコープを整理する土台になります。スコープとは、やること・やらないことの範囲だと考えるとわかりやすいです。

  • 作業を階層的に分解する
  • 作業範囲の抜け漏れを防ぐ
  • 見積もりや担当割り当ての前提になる
  • 横軸の日程表そのものではない

試験では、WBSを「誰がいつ作業するかを示す図」と混同させる選択肢が出ることがあります。もちろん実務ではWBSをもとに担当者や期間を決めていきますが、WBSの本体はあくまで作業分解です。日付、横棒、進捗率といった要素が強く出ているなら、ガントチャートの話に寄っている可能性が高いですね。

ガントチャートは日程を読む

ガントチャートは、作業の開始日、終了日、期間、進捗を横棒で表す図です。基本情報の問題では、WBSのような階層分解よりも、工程表、スケジュール、日程、進捗状況といった言葉と一緒に出てきやすいですね。横軸に時間、縦軸に作業項目を置き、それぞれの作業がいつ始まり、いつ終わるのかを棒の長さや位置で確認する図だと考えると整理しやすいです。

ガントチャートの強みは、ぱっと見て全体の進み具合がわかることです。複数の作業が並行している場合でも、横棒を見れば、今どの作業が走っているのか、遅れている作業がどこなのかを確認できます。基本情報では、実務ツールの細かい操作までは問われにくいですが、「作業日程を横棒で表示する」「進捗を視覚的に管理する」という特徴はよく押さえておきたいです。

ガントチャートは、作業の順序を厳密に計算する図というより、スケジュール全体を見える化する図として覚えると迷いにくいです。

見るものガントチャートで分かること
横棒の位置作業の開始時期と終了時期
横棒の長さ作業期間のおおよその長さ
進捗線や塗り分け予定に対する進み具合
複数の横棒並行作業や作業の重なり

一方で、ガントチャートだけでは作業間の依存関係を細かく計算しにくい場合があります。どの作業が遅れると全体が必ず遅れるのか、最短完了日数はいくつなのかを計算する問題では、アローダイアグラムやクリティカルパスの考え方が出てきます。ガントチャートは「日程の見える化」、アローダイアグラムは「順序関係と最長経路の計算」と分けておくと安全です。

EVMは進捗とコストを見る

EVMはEarned Value Managementの略で、出来高を使ってプロジェクトの進捗とコストを評価する手法です。WBSやガントチャートが作業の分解や日程の見える化に寄っているのに対して、EVMは「予定した価値」「実際にできた価値」「実際にかかった費用」を比べて、予定より進んでいるのか、予算を超えているのかを判断します。

基本情報で特に重要なのは、PV、EV、ACの三つです。PVはPlanned Valueで、ある時点までに完了している予定だった作業の予算額です。EVはEarned Valueで、実際に完了した作業の予算上の価値です。ACはActual Costで、実際にかかった費用です。文字だけ見るとややこしいですが、PVは予定、EVは出来高、ACは実コスト、と言い換えるとかなり覚えやすいですね。

EVMのざっくり理解

EVMは、予定どおり進んでいるかと、予算どおり使えているかを、同じ「価値」の物差しで比べる手法です。

試験でEVMが出るときは、用語の説明問題だけでなく、SVやCVの計算に進むことがあります。SVはEVからPVを引いた値で、予定より進んでいるか遅れているかを見ます。CVはEVからACを引いた値で、予算より効率よく進んでいるか、費用超過になっているかを見ます。最初から公式だけを暗記するより、「EVを中心に予定と実コストを比べる」と考えると、選択肢の意味が読みやすくなります。

三つの違いを表で整理

WBS、ガントチャート、EVMは、同じプロジェクト管理の流れの中でつながっています。まずWBSで作業を分け、分けた作業に期間を置いてガントチャートで日程を見える化し、実行中はEVMで進捗とコストを評価する、という順番で考えると自然です。試験ではそれぞれをバラバラに聞かれることもありますが、この流れを持っておくと暗記がかなり楽になります。

特に混乱しやすいのは、「進捗管理」という言葉です。ガントチャートも進捗管理に使えますし、EVMも進捗管理に使えます。ただし、ガントチャートは作業期間や進み具合を図で見るのが中心で、EVMは出来高とコストを数値で評価するのが中心です。問題文が図の見やすさを聞いているのか、予算や出来高の差を聞いているのかで切り分けるとよいですね。

用語主な役割問題文の合図
WBS作業を階層的に分解する作業分解、範囲、抜け漏れ防止
ガントチャート作業日程を横棒で示す工程表、横軸が時間、進捗表示
EVM出来高で進捗とコストを評価するPV、EV、AC、SV、CV
アローダイアグラム作業順序と最長経路を計算するPERT、クリティカルパス、余裕時間

この表のように、役割を一言で言える状態にしておくと、選択肢で迷う時間を減らせます。例えば「作業を細かく分解し、担当や見積もりの前提にする」とあればWBS、「作業ごとの開始・終了予定を横棒で示す」とあればガントチャート、「出来高、予定価値、実コストで評価する」とあればEVMです。単語だけでなく、セットで出る言葉を覚えるのがコツです。

試験で見る合図を覚える

基本情報の問題では、用語をそのまま聞くよりも、説明文から該当する手法を選ばせる形がよくあります。そのため、定義を丸暗記するだけでなく、問題文に出やすい合図を覚えておくと強いです。WBSなら「階層」「分解」「作業範囲」、ガントチャートなら「横棒」「日程」「工程表」、EVMなら「出来高」「PV」「EV」「AC」「コスト差異」といった言葉が目印になります。

IPAの基本情報技術者試験シラバスでも、プロジェクトマネジメントではプロジェクトの計画・実行・管理に関する用語や技法が扱われます。最新の出題範囲を確認したい場合は、IPAの試験要綱・シラバスを見ておくと安心です。ただし、試験対策では範囲を広げすぎるより、頻出用語を問題文で判別できる形にする方が得点につながりやすいかなと思います。

  • 階層的に作業を分けるならWBS
  • 横棒で日程を見るならガントチャート
  • 出来高と費用を比べるならEVM
  • 最長経路を計算するならアローダイアグラム

関連する全体像を先に押さえたい場合は、基本情報技術者試験マネジメント系の頻出テーマや、基本情報技術者試験のプロジェクトマネジメント完全攻略もあわせて確認するとつながりが見えやすいです。この記事ではWBS・ガントチャート・EVMに絞っていますが、プロジェクト管理の章全体ではQCD、リスク、品質、調達などもセットで出てきます。

基本情報のWBS・ガントチャート・EVM解法

EVMのPV・EV・ACをグラフで確認する学習イメージ

WBS問題の選択肢を切る

WBSの問題を解くときは、まず「作業を分ける話か」を確認します。選択肢に、作業を階層構造に分解する、成果物単位で細分化する、必要な作業の漏れを防ぐ、といった説明があればWBSの可能性が高いです。逆に、日付の横軸、棒グラフ、出来高、コスト差異が中心なら、WBSではなく別の手法を選ぶ場面かもしれません。

よくあるひっかけは、WBSを「スケジュール表」と言い切る選択肢です。WBSを作るとスケジュール作成に役立つのは事実ですが、WBSそのものは作業分解の構造です。基本情報では、この「役立つ」と「そのもの」を混同しないことが大切ですね。WBSを作った後に、各作業の期間や依存関係を考え、ガントチャートやアローダイアグラムにつなげていく、と流れで覚えると選びやすくなります。

  • 作業を階層的に分ける説明ならWBS
  • 作業範囲や成果物の整理ならWBS
  • 見積もりや担当割り当ての前提ならWBS
  • 横棒で日程を表示する説明はガントチャート寄り
  • 最長経路を計算する説明はアローダイアグラム寄り
  • PV・EV・ACを使う説明はEVM寄り

私なら、WBSの選択肢を見るときに「作業の親子関係が出ているか」を最初に見ます。大きな作業の下に小さな作業がぶら下がるイメージがあればWBSです。日付や進捗率に意識を持っていかれると迷うので、まずは作業を分ける手法かどうかに絞ると、かなり選択肢を切りやすくなります。

ガント問題の読み方

ガントチャートの問題では、横軸が時間、縦軸が作業、横棒が作業期間を表すという基本を確認します。問題文に図が出ていなくても、「工程表」「作業別の開始日と終了日」「進捗状況を視覚的に把握」といった説明があれば、ガントチャートを選ぶ可能性が高いですね。細かい計算よりも、どの作業がどの時期に実施されるかを見やすくする図だと考えるとよいです。

ただし、ガントチャートとアローダイアグラムは混同されやすいです。アローダイアグラムは、作業の順序関係を矢印で表し、クリティカルパスや最短完了日数を求める問題で使われます。ガントチャートも作業順序をある程度見られますが、試験で「余裕時間」「最長経路」「クリティカルパス」という言葉が出たら、ガントチャートではなくアローダイアグラムを疑った方が安全です。

ガントチャートは「いつやるかを見る図」、アローダイアグラムは「どの順序で進み、どの経路が全体日数を決めるかを見る図」と分けると覚えやすいです。

クリティカルパスの読み方まで押さえたい場合は、基本情報のアローダイアグラム攻略で、合流点や余裕時間の考え方も確認しておくとよいです。WBS、ガントチャート、アローダイアグラムは工程管理の中で近い位置にありますが、試験では「何を求めたいのか」が違います。日程の見える化ならガント、全体日数の計算ならアローダイアグラムですね。

表現選びやすい用語
横棒で作業期間を示すガントチャート
作業の順序を矢印で示すアローダイアグラム
最長経路を求めるクリティカルパス
作業を階層に分けるWBS

EVMのPV・EV・ACを押さえる

EVMの計算問題では、まずPV、EV、ACを日本語に置き換えるのがコツです。PVは予定価値、EVは出来高、ACは実コストです。英字のまま見ると混乱しやすいですが、PVは「ここまで終わっている予定だった金額」、EVは「実際に終わった作業の予算上の価値」、ACは「実際に使った金額」と言い換えると、式の意味が見えてきます。

WBS・ガントチャート・EVMの選び方を比較する学習イメージ

基本情報では、EVMを高度なプロジェクト管理手法として細かく掘り下げるより、PV、EV、ACの関係から状況を判断できるかが大切です。例えば、EVがPVより大きければ、予定より多くの出来高を上げているので進捗は進み気味です。EVがACより小さければ、出来高より実際の費用の方が大きいので、コスト効率は悪いと判断できます。EVを中心に、PVとACを比べる形ですね。

記号意味見るポイント
PV予定価値予定ではどこまで進むはずか
EV出来高実際にどれだけ価値を生んだか
AC実コスト実際にいくら使ったか
SVEV – PV進捗が予定より前か後ろか
CVEV – ACコストが効率的か超過か

この表で重要なのは、SVとCVのどちらもEVから引くという点です。SVは予定との比較なのでEVからPVを引きます。CVは実コストとの比較なのでEVからACを引きます。似たようなアルファベットが並ぶので、式だけを暗記すると本番で入れ替えやすいですが、「出来高を基準に予定と費用を比べる」と覚えると崩れにくいです。

SVとCVの符号で判断する

SVとCVは、符号を見るだけでもかなり判断できます。SVはSchedule Variance、つまりスケジュール差異です。SVがプラスなら、EVがPVより大きいので予定より進んでいます。SVがマイナスなら、EVがPVより小さいので予定より遅れています。ゼロなら、予定どおりと考えます。ここは直感とズレにくいので、まず押さえたいですね。

CVはCost Variance、つまりコスト差異です。CVがプラスなら、EVがACより大きいので、かかった費用より出来高の価値が大きく、コスト面では良好です。CVがマイナスなら、ACがEVを上回っているので、出来高に対して費用を使いすぎています。進捗が進んでいてもコスト超過というケースはあり得るので、SVとCVは別々に判断するのが大切です。

指標プラスマイナス
SV予定より進んでいる予定より遅れている
CV予算より効率がよいコスト超過している
SPI1より大きいと進捗良好1より小さいと進捗遅れ
CPI1より大きいとコスト効率良好1より小さいとコスト効率悪化
注意

SVはスケジュール、CVはコストです。どちらもプラスなら良い方向、マイナスなら悪い方向と覚えると、基本情報レベルでは判断しやすくなります。

SPIやCPIまで出る場合も、考え方は同じです。SPIはEVをPVで割るので、1より大きければ進捗良好、1より小さければ進捗遅れです。CPIはEVをACで割るので、1より大きければコスト効率が良く、1より小さければコスト効率が悪いと見ます。基本情報では、複雑な予測値まで深追いするより、まずSVとCVの符号判断を確実にする方が優先です。

基本情報の工程管理まとめ

基本情報のWBS・ガントチャート・EVMは、プロジェクト管理の中で役割を分けて覚えるとスムーズです。WBSは作業を分ける、ガントチャートは日程を見る、EVMは進捗とコストを数値で評価する。この三つを一文で言えるようにしておくだけでも、選択肢の見え方が変わります。特にマネジメント系は暗記量が多く感じますが、似た用語を対比すると覚えやすいです。

勉強の順番としては、まずWBSとガントチャートの違いを押さえ、その後にEVMのPV・EV・ACへ進むのがおすすめです。WBSとガントチャートは言葉の説明問題で出ても対応できるようにし、EVMはSVとCVの符号判断まで練習しておくと安心です。アローダイアグラムの計算問題とは別テーマですが、工程管理という大きなくくりでは近いので、セットで復習すると理解がつながります。

最後に確認

作業分解ならWBS、日程の横棒ならガントチャート、出来高とコストならEVMです。問題文で聞かれている対象を先に決めると、似た用語に振り回されにくくなります。

過去問を解くときは、正解した問題でも「なぜ他の選択肢ではないのか」を一言で説明してみてください。WBS、ガントチャート、EVM、アローダイアグラムの違いを説明できるようになると、初見問題でもかなり対応しやすくなります。最終的には、用語単体ではなく、作業分解、日程、出来高、コストという判断軸で覚えるのが得点への近道です。

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