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itパスポートと基本情報技術者の違い徹底比較

執筆者
kihonNeko
公開日
2025年10月26日 公開
更新日
2025年11月10日 更新
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itパスポートと基本情報技術者の違いがよく分からなくて、どっちを受けるべきか迷っていませんか。難易度や合格率の差はどれくらいなのか、勉強時間の目安はどう違うのか、就職や転職で本当に評価されるのはどちらなのか、気になるところだらけですよね。

さらに、it未経験や文系の人は、いきなり基本情報技術者試験に挑戦して大丈夫なのか、それともまずitパスポートから始めた方がいいのか、どっちを先に取るべきかも悩みポイントだと思います。受験料や試験形式、科目Aと科目Bの構成、通年で受験できるかどうかなど、細かい制度の違いも押さえておきたいところですし、「自分の今のレベルでいきなり基本情報技術者試験はきつくないかな?」という不安もありますよね。

この記事では、itパスポートと基本情報技術者の違いを、対象者・試験範囲・試験形式・難易度・勉強時間・就職転職でのメリットといった観点からまとめて比較します。そのうえで、あなたの今の状況やキャリアプランに合わせて、どちらから受けるべきか、どんな順番で取得していくのが現実的かを一緒に整理していきます。読み終わるころには、「自分はこっちを先に受けて、このくらいの勉強時間で進めればいいんだな」と具体的にイメージできる状態を目指します。

この記事で分かること
  • itパスポートと基本情報技術者のレベルや対象者の違い
  • 試験範囲・形式・難易度・合格率の具体的な比較
  • 未経験・大学生・社会人ごとのおすすめの受験順番
  • 就職・転職でどのようにアピールしやすいかの考え方

itパスポートと基本情報技術者の違い全体

  • レベル区分と対象者の違い
  • 出題範囲と試験内容の違い
  • 試験形式と科目構成の違い
  • 難易度と合格率を比較
  • 勉強時間と受験料の違い

まずは、itパスポートと基本情報技術者の違いを「レベル感」「対象者」「出題内容」「試験形式」「難易度・合格率」「勉強時間と受験料」といった切り口でざっくり整理していきます。ここで全体像をつかんでおくと、「自分にはどっちが合っていそうか」「どのくらい大変そうか」がかなりイメージしやすくなりますよ。

レベル区分と対象者の違い

情報処理技術者試験全体の中で見ると、itパスポートはレベル1、基本情報技術者試験はレベル2に位置づけられています。ざっくり言えば、itパスポートは「ITを使う側」、基本情報技術者試験は「ITを作る側」向けの資格というイメージです。この「使う側」と「作る側」の違いを意識しておくと、自分がどちら寄りのキャリアを歩みたいか考えやすくなります。

対象者のイメージとしては、itパスポートは業種を問わず、社会人・学生問わず「ITリテラシーを身につけたい人」全般がターゲットです。営業職・企画職・事務職など、ITエンジニア以外の人も含めて、仕事でITを使う人なら誰でも受けてOK、という感じですね。「Excelや社内システムは使うけど、中身はよく分からない」という人が、ITの全体像をつかむのにも向いています。

一方、基本情報技術者試験は、ITエンジニアやシステム開発に関わる人を主なターゲットにしています。これからプログラマーやSEを目指したい学生、社内のシステム担当へキャリアチェンジしたい社会人など、ITを仕事の中心に据えたい人がメインの想定受験者です。「コードを書いてみたい」「システムの仕組みをちゃんと理解して設計できるようになりたい」と考えているなら、こちらが本命になりやすいです。

ざっくりターゲット像

  • itパスポート:ITをビジネスに活用する全職種向け(利用者側)
  • 基本情報技術者試験:ITエンジニア・システム担当向け(作る側)

どちらの試験も受験資格に制限はないので、「未経験だから基本情報は受けられない」ということはありません。極端な話、高校生が基本情報技術者試験に合格するケースもあります。ただ、将来エンジニアを目指すかどうかによって、どちらを優先するかは変わってきます。このあたりは後半の「itパスポートと基本情報技術者の違いと選び方」で、状況別にかなり細かく整理していきますね。

あなたが今「IT部門と会話できるようになりたい」のか、「IT部門の中に入って仕事をしたい」のかで、優先する試験を選んでいくイメージを持っておくと、迷いが減ってきますよ。

出題範囲と試験内容の違い

出題範囲のざっくりした違いは、itパスポート=経営・IT管理・IT技術の「広く浅く」基本情報技術者試験=IT技術寄りの「広くそこそこ深く」です。同じ「ITの基礎」といっても、どこまで深堀りするかがかなり違うんですよね。

itパスポートでは、経営戦略やマーケティングなどのストラテジ系、プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントといったマネジメント系、そしてネットワークやセキュリティなどのテクノロジ系をバランスよく学びます。たとえば、「売上」「利益率」といったビジネス指標や、クラウド・DX・AIのようなITトレンドの用語も出題されますし、著作権や個人情報保護のような法務の話も含まれます。

イメージとしては、「ITを使ったビジネス」を俯瞰できるようになる試験です。システムを自分で作れるようになるというよりは、「なぜこのシステム投資が必要なのか」「セキュリティリスクがあると何が困るのか」といった、ビジネス上の判断軸を持てるようになる感じですね。

一方、基本情報技術者試験では、情報数学・論理・アルゴリズム・プログラミング・データベース・ネットワーク・セキュリティなど、技術寄りのテーマがかなり増えます。特に、擬似言語で書かれたアルゴリズムを読み解いたり、フローチャートから処理結果を求める問題は、itパスポートにはほぼ出てこない世界観です。

データベースなら正規化やSQLの基本、ネットワークならIPアドレス・ルーティング・プロトコルなど、もう一歩踏み込んだ内容が出てきます。「現場の実務でそのまま使う」というよりは、開発者としての基礎教養を一通り確認する試験というイメージが近いです。

キホン猫の肌感覚

  • itパスポート:情報システム部門と会話できるビジネスパーソンを目指す内容
  • 基本情報技術者試験:自分がシステムを設計・実装する立場を見据えた内容

どちらも「ITの基礎」を扱っていますが、深さと技術寄りかビジネス寄りかのバランスが大きく違う点は、意識しておくと良いかなと思います。「将来的にコードを書くところまで行きたいのか」「あくまで自分はITを活用する側でいたいのか」で、しっくりくる方が変わってきますよ。

試験形式と科目構成の違い

試験形式はどちらもCBT(コンピュータで解答する方式)ですが、構成がかなり違います。itパスポートは1本勝負、基本情報技術者試験は科目A・科目Bの2本立てです。ここは受験時の体力や集中力にも直結するポイントなので、しっかり押さえておきたいところです。

itパスポートは、120分で四肢択一の問題を100問解くシンプルな構成です。すべてマーク式なので、問題文を読んで選択肢を選ぶことに集中できます。問題のボリュームは多めですが、一問あたりは比較的コンパクトで、テンポよく進めていく感じですね。

基本情報技術者試験は、90分・60問の科目A試験と、100分・20問の科目B試験の2部構成です。科目Aも選択式ですが、テクノロジ系の比率が高く、用語や定義を丁寧に押さえていないと解けない問題が多いです。科目Bは長文を読みながらアルゴリズム・プログラミング・セキュリティなどを解いていく形式で、1問あたりの情報量がかなり多いのが特徴です。

形式のざっくり比較イメージ

形式のざっくり比較(イメージ)

項目itパスポート基本情報技術者試験
試験時間120分×1科目A 90分+科目B 100分
問題数100問(四肢択一)科目A 60問+科目B 20問
問題の重さ1問あたりは比較的ライト科目Bは1問で大ボリューム
主な負荷幅広い知識+時間配分読解力+論理的思考+集中力

どちらも通年実施・予約制で受験しやすい形式になっていますが、基本情報技術者試験の方が「長時間×集中力×読解力」が求められるのは間違いないです。科目Bでは、長文のシステム仕様を読みながら、「このときの変数の値はいくらか」「どの経路が最短か」といった計算をしていくので、頭をフル回転させ続ける感覚になります。

また、CBT形式ならではのポイントとして、「画面スクロールが多い」「問題と選択肢を一度に見渡しづらい」といったストレスもあります。紙の模試では余裕があっても、本番のCBTになると時間ギリギリになる人も多いので、可能であればCBT形式の模擬試験で慣れておくのがおすすめです。

itパスポートは「まずはCBT試験そのものに慣れる」場としても使いやすいので、基本情報技術者試験を見据えて、ウォーミングアップとして受けるという考え方もありますよ。

難易度と合格率を比較

難易度の目安として、よく合格率が引き合いに出されます。細かい数字は年度や時期によって変わりますが、傾向としては「itパスポートの方が合格率高め・基本情報技術者試験の方が低め」という状態が長く続いています。ここをざっくり押さえつつ、「だから自分には無理だ…」と早合点しないことも大事です。

itパスポートは、おおむね50%前後で推移していることが多く、「しっかり対策すれば十分狙えるレベル」と言えます。社会人の方が学生より合格率がわずかに高い傾向もあり、「仕事でITに触れている人の方がイメージしやすい内容が多い」という側面もありますね。

一方、基本情報技術者試験は、昔は20〜30%前後の時期が長く続きました。最近はCBT化や試験方式の変更もあって、一時的に合格率が上がった時期もありますが、それでも内容自体はitパスポートより明らかに難しく、「きちんと勉強しないと受からない試験」という位置づけは変わっていません。

合格率を見るときの注意点

  • 受験者のレベル構成(学生が多いか、社会人が多いか)で数字は変わる
  • 制度改定や方式変更の直後は、合格率がブレやすい
  • あくまで「全体の傾向」であって、個人の難しさとは別物

具体的な最新の合格率や統計情報は、公的機関のデータを確認するのが安心です。(出典:IPA「基本情報技術者試験 統計情報」

キホン猫の感覚では、itパスポートは「基礎知識をきちんと押さえれば合格ラインに届きやすい」、基本情報技術者試験は「理解を伴った学習+演習量」がないと600点に届きにくいという印象です。同じ「合格率50%」に見えたとしても、そこに至るまでの勉強量や理解の深さが結構違うんですよね。

また、ネット上には「簡単」「余裕」といった声もあれば、「難しすぎて心折れた」という声もありますが、これらはあくまでその人のバックグラウンドや勉強量に依存した感想です。自分の得意・不得意(数学や論理が苦手かどうか、ITに触れてきたかどうか)を冷静に見たうえで、「どのくらい準備すれば戦えそうか」を判断するのが大事かなと思います。

合格率や難易度の情報はあくまで参考材料にとどめて、最終的な受験判断は、公式情報や信頼できるデータを確認しつつ、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて決めていきましょう。心配な場合は、学校の先生やキャリアセンター、資格スクールの講師などの専門家に相談するのもおすすめです。

勉強時間と受験料の違い

勉強時間の目安としてよく言われるのは、itパスポートが約100時間、基本情報技術者試験が約200時間あたりです。もちろん個人差はありますが、基本情報技術者試験は「itパスポートの約2倍くらいの学習ボリューム」とイメージしておくと、大きく外れないと思います。

1日2時間ペースで勉強すると、itパスポートは2か月弱、基本情報技術者試験は3〜4か月くらいのイメージですね。とはいえ、毎日2時間をコンスタントに確保するのはなかなかハードなので、平日は短め・休日は少し長めといった形で、週トータルでどのくらい時間を確保できそうかを考えると現実的です。

勉強時間イメージの立て方

ざっくりで良いので、次のように考えてみると計画が立てやすいです。

  • ITに触れた経験がある(情報系学部・エンジニア寄りの仕事):目安時間より少なめでもOKなことが多い
  • ITは完全未経験・文系:目安時間よりやや多めに見積もっておくと安心
  • アルゴリズムや数学が苦手:基本情報技術者試験の200時間はかなりギリギリラインかも

受験料は、両方ともおおよそ7,500円前後にそろえられており、「国家試験としては標準的〜やや高め」くらいの印象です。支払いはクレジットカードやコンビニ払い、バウチャーチケットなどが選べますが、申し込み後の日程変更やキャンセルポリシーもあるので、公式の案内をよく確認しておきましょう。

公式情報のチェック先

このあたりは制度改定の影響を受けやすいので、最終的には必ず公式情報を確認してください。記事で紹介している数値や制度は、あくまで執筆時点の一般的な目安です。

特に、仕事や家庭の事情で勉強時間が取りにくい社会人の場合、「1日何時間」ではなく「週あたり何時間」という単位で考えると、無理のないペースを設定しやすくなります。「今週は忙しくてほとんど進まなかったけど、来週は多めにやろう」といった調整もしやすいですよ。

なお、受験料はあなたの大事なお金なので、「とりあえず申し込んで様子見」というよりは、最低限の勉強計画と見通しを立ててから申し込むのがおすすめです。不安な場合は、学校や職場の上司・先輩、資格スクールのカウンセラーなどの専門家に相談し、最終的な判断は自分で納得したうえで行ってください。

itパスポートと基本情報技術者の違いと選び方

  • it未経験はどっちを受けるべき
  • 取得順番どっちを先に取るか
  • 大学生と社会人どっちがおすすめ
  • 就職転職でのメリットの違い
  • itパスポートと基本情報技術者の違いまとめ

ここからは、「結局あなたはどっちから受けるのが良いのか」を具体的に整理していきます。it未経験かどうか、大学生か社会人か、就職や転職でどう活かしたいかによって、最適なルートは変わってきます。「どっちが正解」というより、あなたの今の状況にとっての最適解を一緒に探していくイメージで読んでみてください。

it未経験はどっちを受けるべき

it未経験の人が最初に迷うのが、「いきなり基本情報技術者試験に行くか、それともitパスポートから行くか」ですよね。ここは本当に悩みどころで、SNSを見ても両方の意見があって混乱しがちです。結論から言うと、エンジニア志望がハッキリしているなら、いきなり基本情報技術者試験にチャレンジしてもOKだと考えています。

理由はシンプルで、最終的に評価されやすいのは基本情報技術者試験の方だからです。特にITエンジニアとして就職・転職したい場合、「基本情報を持っている=基礎はしっかり勉強してきた」という分かりやすいシグナルになります。一方、itパスポートはITリテラシーの証明としては良いのですが、エンジニア採用の場面では「あるとプラスだけど必須ではない」くらいの扱いになりがちです。

とはいえ、数学や論理が極端に苦手だったり、「アルゴリズムとか聞いただけで拒否反応が…」というレベルなら、いきなり基本情報技術者試験は心が折れやすいのも事実です。擬似言語問題や2進数の計算が連続で出てくると、「何をやっているのか全く分からない…」となりやすいんですよね。

キホン猫のおすすめ方針(未経験向け)

  • エンジニア志望+勉強時間を確保できる → 基本情報技術者試験に直行もアリ
  • ITに少し不安がある・文系色強め → itパスポートで基礎固め→基本情報技術者試験へ

特に文系IT未経験の人は、用語の多さや数式・論理式の見た目でビビりがちです。その場合、itパスポートで「IT+ビジネス」の全体像を掴んでから、基本情報技術者試験で技術寄りを深堀りするルートがかなり現実的です。itパスポートのストラテジ系・マネジメント系の知識は、そのまま基本情報技術者試験の科目A対策にもつながります。

it未経験から基本情報技術者試験を目指すときの勉強法やつまずきポイント、具体的なロードマップについては、基本情報技術者試験をIT未経験から合格するためのガイドでかなり詳しく整理しています。自分がどのパターンに近いか、どのくらいの期間を見ておくと良さそうかをイメージするのに役立つと思うので、迷っている人は合わせてチェックしてみてください。

最終的には、「どちらから受けるか」よりも「途中で投げ出さずに最後まで走り切れるか」の方が大事です。今の生活リズムの中で、どのくらい勉強時間が確保できそうかを冷静に見積もりつつ、必要なら学校の先生やキャリアセンター、資格講座のカウンセラーなど専門家にも相談してみてくださいね。

取得順番どっちを先に取るか

よくある質問が、「itパスポートと基本情報技術者試験は順番に取るべきですか?」というものです。ここはまず、「必ずitパスポート→基本情報技術者試験の順番でなければいけない」というルールは一切ないという点を押さえておいてください。IPA側でも、どちらを先に受けなさいとは決めていません。

キャリア的に見ると、最終的に評価されやすいのは基本情報技術者試験の方です。特にITエンジニア志望なら、基本情報技術者試験を持っていると「エンジニアの入り口までは来ているな」という印象になりやすく、選考でプラスに働く場面もあります。そのため、目標がはっきりしていて、勉強時間もある程度確保できるなら、最初から基本情報技術者試験だけを狙うのも十分アリですし、実際そういう人も多いです。

一方で、「久しぶりの勉強でペースが掴めるか不安」「まずは1つ合格体験を積んで自信をつけたい」という場合は、itパスポート→基本情報技術者試験という二段構えにするメリットも大きいです。itパスポートの学習が、そのまま基本情報技術者試験のストラテジ・マネジメント分野の土台になるので、決して遠回りにはなりません。

順番を決めるときのチェックポイント

  • いつまでにエンジニアとして働きたいのか(1年後?3年後?)
  • 週あたりどのくらい勉強時間を確保できそうか
  • 数学・論理・プログラミングに対する抵抗感はどのくらいか
  • 資格手当や昇格条件など、会社側の要件があるかどうか

順番の考え方(ざっくり)

  • 短期間で結果を出したい/エンジニア志望が明確 → 基本情報技術者試験を優先
  • 勉強習慣に自信がない/途中で挫折しそう → itパスポート→基本情報技術者試験の二段構え

「とりあえず両方取ろう」と意気込みすぎると、どちらも中途半端になってしまうこともあります。まずは1つにフォーカスして合格を取りに行き、余裕があれば次の資格に進む、くらいのスタンスがちょうど良いかなと思います。

また、会社の資格手当や昇格要件にからんでくる場合は、人事部門や上司に確認したうえで、どちらを優先するか決めるのが安全です。制度は会社によってかなり違うので、「一般論」だけで判断しないように注意してくださいね。

大学生と社会人どっちがおすすめ

大学生と社会人では、生活リズムも時間の自由度もかなり違うので、おすすめの戦略も少し変わってきます。それぞれの立場ごとに、「こう考えるといいよ」という方針を整理してみます。

大学生におすすめの考え方

大学生でIT系就職を視野に入れているなら、できれば在学中に基本情報技術者試験まで取っておくのをおすすめします。新卒採用の場では、基本情報技術者試験を持っているだけでも「ITの基礎をしっかり勉強してきたんだな」という印象になりやすいですし、エントリーシートの資格欄を埋めやすくなります。

文系でIT志望にチャレンジする場合は、1〜2年生のうちにitパスポート、3〜4年生で基本情報技術者試験、というステップもかなり現実的です。教養科目として情報系の授業を取れる大学なら、その内容とリンクさせながら勉強すると理解が深まりやすいですよ。

また、大学によっては、itパスポートや基本情報技術者試験に合格することで単位認定や学費減免の制度があるところもあります。こうした制度をうまく使えば、勉強が「資格+単位+就活アピール」の3つ取りになるので、かなりコスパが良いです。詳しくは大学のシラバスや教務課の案内をチェックしてみてください。

社会人におすすめの考え方

社会人は、仕事と並行して勉強することになるので、勉強時間の確保と「続けやすいペース」がかなり重要です。いきなり基本情報技術者試験からスタートしてもいいのですが、残業が多い時期などは、どうしても学習計画が崩れがちです。

ITエンジニア以外の職種で、「ITのことが分かる総合職」を目指したいだけなら、itパスポートで十分評価してくれる会社もたくさんあります。IT部門とスムーズにコミュニケーションが取れる人材は、どの会社でも重宝されますからね。

一方で、将来的にエンジニアへのキャリアチェンジを考えている社会人なら、基本情報技術者試験まで視野に入れておきたいところです。ただし、一気に「itパスポートも基本情報も!」と欲張ると、どちらも中途半端になってしまう危険もあるので、まずは1つに集中して合格→次のステップへという流れを意識すると良いかなと思います。

どちらの立場でも共通して大事なのは、「今の生活リズムで続けられる勉強計画かどうか」です。もし自分だけで計画を立てるのが不安なら、ゼミの先生や先輩、職場の上司、キャリアセンターなどの専門家にも相談しつつ、最終的な判断は自分自身で納得して決めてくださいね。

就職転職でのメリットの違い

就職・転職の場面では、資格単体ではなく「その人のキャリアの文脈」とセットで見られることが多いです。そのうえで、itパスポートと基本情報技術者試験の違いをざっくり整理すると、次のようなイメージになります。

就職・転職での見え方

  • itパスポート:ITリテラシーがあり、ビジネスとITの橋渡しができそうな印象
  • 基本情報技術者試験:IT基礎を体系立てて学んだ「IT人材候補」としての印象

ITエンジニア志望なら、基本情報技術者試験を持っている方が評価されやすいのは確かです。新卒採用では「基本情報技術者試験を持っていると書類通過率が少し上がる」といったケースもありますし、社内で資格手当の対象になっている会社もあります。「若手のうちに取っておいてね」という社内ルールになっている企業もありますね。

一方、営業や企画などの非IT職では、itパスポートでも十分ポジティブな評価になる場面があります。「IT系の用語が通じる人だ」と分かるだけで、プロジェクトを進めるうえではかなり助かるからです。顧客との打ち合わせにIT部門の人と一緒に参加するときも、最低限のITリテラシーがあるかどうかでコミュニケーションの通訳コストが変わってきます。

「基本情報技術者試験は意味ない?」という話題もよく出ますが、このあたりの実務での価値やメリット・デメリットは、基本情報技術者試験は本当に役に立たない?価値とメリットでかなり深掘りしています。資格の使いどころが気になる人は、あわせて読んでみてください。

注意しておきたいポイント

  • 資格はあくまで「プラス材料」であって、合否を決める絶対条件ではない
  • 中途採用では、資格よりも実務経験や成果物が重視されることが多い
  • 評価のされ方は企業や職種によってかなり違う

就職・転職市場での評価について不安がある場合は、学校のキャリアセンターや転職エージェントなど、専門家にも相談しつつ、最終的な判断は自分のキャリアプランに沿って行うのがおすすめです。

まとめると、itパスポートは「ITに強いビジネスパーソン」をアピールするのに向いていて、基本情報技術者試験は「IT技術の土台を持った人材」としてアピールしやすい資格です。どちらが良い悪いではなく、あなたが目指すキャリアに対して、どちらがより相性が良いかを考えて選ぶのが大事かなと思います。

itパスポートと基本情報技術者の違いまとめ

itパスポートと基本情報技術者の違いまとめ

ここまで、itパスポートと基本情報技術者の違いを、対象者・出題範囲・試験形式・難易度・勉強時間・就職転職でのメリットという切り口で見てきました。あらためてまとめると、itパスポートは「ITを使う側の基礎リテラシー」、基本情報技術者試験は「ITを作る側の基礎力」を証明する資格だと言えます。

どちらが上・下というより、「あなたがどんな働き方をしたいか」によって、優先すべき資格が変わると考えるのがしっくり来るかなと思います。エンジニア志望なら基本情報技術者試験を主軸にしつつ、必要に応じてitパスポートも検討。非IT職なら、itパスポートで十分な場面も多いです。

また、勉強時間の目安や合格率はあくまで一般的な目安であり、個人のバックグラウンドや得意・不得意によっても大きく変わります。「他の人が何時間で受かったか」よりも、「自分がどれくらい時間を確保できるか」をベースに計画を立てるのがおすすめです。

itパスポートと基本情報技術者の違いを理解したうえで、まずはどちらか1つにフォーカスして合格を目指す。その中で身に付いた知識や勉強習慣は、必ず次のステップに活きてきます。試験制度・受験料・申込方法などの最新情報は、必ずIPAなどの公式サイトで確認してください。制度改定やCBTの運用が変わることもありますし、ここで触れた内容が時間の経過とともに古くなる可能性もあります。

もし「自分はどっちから受けるべきかまだ迷う…」という場合は、将来のキャリア像(ITを使う側か、作る側か)と、今の生活リズムで確保できる勉強時間を書き出してみると、だいぶ方向性が見えやすくなりますよ。必要であれば、キャリアセンターや転職エージェント、資格スクールの講師などの専門家にも相談しつつ、最終的な判断はあなた自身で行ってください。

キホン猫としては、「資格そのもの」よりも、「資格の勉強を通じて身につけた知識や思考法」がその後のキャリアで効いてくると感じています。itパスポートと基本情報技術者の違いをうまく活かして、あなたの次の一歩を決める材料にしてもらえたらうれしいです。

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