基本情報のディジタル変調をASK・FSK・PSKと通信速度の計算で理解する

振幅・周波数・位相を表す波と信号点の模型

基本情報のディジタル変調は、ASKなら振幅、FSKなら周波数、PSKなら位相を変えると整理できます。QAMは直交する二つの成分を使う方式で、代表的な16QAMでは振幅と位相の組合せで複数のビットを表します。

通信速度の計算では、1秒に送るシンボル数を表すbaudと、1秒に送るビット数を表すbpsを分けることが出発点です。1シンボルが2ビットを表すなら、同じ数値にはなりません。この記事では、波形の見分け方から、状態数・変調速度・ビット速度を行き来する独自例題まで順に確認します。

この記事のポイント
  • 波の高さ・間隔・基準からのずれでASK・FSK・PSKを区別できる
  • QPSKと16QAMの状態数から1シンボルのビット数を求められる
  • baudとbpsを条件付きで換算し、逆算もできる
  • 搬送波の周波数や実効速度との取り違えを例題で直せる
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目次

基本情報のディジタル変調をASK・FSK・PSK・QAMで見分ける

波の高さ・間隔・ずれを比較する変調のイメージ

搬送波のどの要素に情報を乗せるかを考える

搬送波は、情報を伝えるために利用する波です。ここでは一定の周期で繰り返す正弦波を考え、送りたいビット列に応じて、その波の状態を決める操作を変調と呼びます。受信した波から状態を判定し、ビット列を取り出す操作は復調です。変調と復調は送信側と受信側で対応します。

波形を見るときに分けたい要素は三つあります。振幅は波の中心から山までの高さ、周波数は1秒間に繰り返す周期の数、位相は共通の基準に対して周期のどの位置にあるかです。高さが変わるのか、山の間隔が変わるのか、同じ周期のまま位置がずれるのかを調べると、方式名につながります。

たとえば「0を小さい振幅、1を大きい振幅で送る」と決めたなら、受信側もその対応を使う必要があります。0と1の割当てを逆にすることもできますが、送受信で食い違えば、方式自体は同じでも正しいデータを復元できません。方式名が決めるのは情報を乗せる要素であり、個々のビットへの割当てまで一律に決めるものではありません。

代表方式と搬送波の関係は、村田製作所のデジタル変調の基礎解説でも確認できます。ここからは受験学習向けに、判別の根拠を具体例へ置き換えて整理します。

四つの方式を比較表で整理する

スクロールできます
方式名称情報に応じて変える要素問題文で探す手掛かり
ASK振幅偏移変調振幅波の高さ・電圧の大きさ・オンとオフ
FSK周波数偏移変調周波数周期の長短・山の間隔・異なる周波数
PSK位相偏移変調位相基準に対する位相角・同じ周期でのずれ
QAM直交振幅変調直交する二成分の振幅。合成波では振幅・位相の組合せI成分とQ成分・信号点の配置

AはAmplitude、FはFrequency、PはPhaseに対応します。英語を丸ごと暗記するより、「Aだから高さ」「Fだから周期の数」「Pだから位置」という対応を、波形の特徴と結び付けると説明文から選びやすくなります。QAMは三つの頭文字と同じ規則で読もうとせず、別に理解しましょう。

比較表の目的は、変える要素を見分けることです。「PSKはどんな環境でも最速」「QAMなら誤りが起きない」のような順位表としては使えません。方式を比較するには、状態数、送信電力、雑音、受信方法、帯域幅などの条件が必要です。問題にない条件を補って優劣を決めると、用語の理解がかえって曖昧になります。

また、ディジタル変調という名前でも、伝わる波そのものが四角い波になるとは限りません。0と1などの離散的なデータに従って状態を選ぶ、という部分に注目します。データの表現と搬送波の波形を分けることが、最初の混乱を防ぐコツです。

ASKは高さを変え、OOKはその一例になる

振幅の大小とオン・オフを表す波の模型

ASKでは、情報に応じて搬送波の振幅を切り替えます。二値の説明なら「振幅が小さい状態」と「振幅が大きい状態」を0と1に対応させます。山の高さだけが変わり、シンボル区間内の周期が同じなら、まず振幅に着目してください。

簡単な方式として、搬送波を出す状態と出さない状態を使うOOKがあります。オン・オフの二つを使うため、波のない区間が図に現れます。ただし、ASKが必ずオン・オフになるわけではありません。どちらもゼロではない振幅を使う二値ASKもあります。Open UniversityのASK教材では、この違いが示されています。

独自例として、振幅1の状態を0、振幅3の状態を1と決め、ビット列0110を送るとします。各区間の振幅は1、3、3、1です。中央の二つは同じ高さが続きますが、1が二つ送られています。振幅が変わった瞬間の数だけを数えると、送ったデータの区間数を取り違えます。

ここでの数値は仕組みを説明するための仮定で、実機の電圧や規格値ではありません。図から判別する問題でも、具体的な高さの数値より、情報に応じて高さが複数の状態へ切り替わる点を読み取ります。「0のときだけ波が消える」という説明なら、ASKの一例としてのOOKに結び付けられます。

FSKは周波数を変え、波の間隔で判別する

FSKでは、情報に応じて搬送波の周波数を切り替えます。周波数が高い区間は同じ時間内の山の数が多く、山と山の間隔は短くなります。周波数が低い区間は山の数が少なく、間隔が長くなります。波形の高さが同じでも、詰まり方が違うなら周波数を確認しましょう。

独自例として、0を2kHz、1を4kHzに対応させた二値FSKを考えます。2kHzは1秒に2,000周期、4kHzは1秒に4,000周期です。両方とも同じ長さの区間へ割り当てれば、1の区間のほうが多くの周期を含みます。0を高い周波数に割り当てるルールも可能なので、高いほうが必ず1だとは覚えません。

注意したいのは「二つの周波数を使う」ことと「1シンボルで2ビットを送る」ことの違いです。二つの状態なら、1回の選択で区別できるのは0と1の二通りです。2ビットの00、01、10、11を表すには四つの区別可能な状態が必要になります。周波数の数を、そのままビット数に置き換えないでください。

周波数の単位Hzを見ただけで通信速度を計算することもできません。4kHzの搬送波に何周期分を使って一つのシンボルを送るかは、別の条件です。波が繰り返す速さと、データを割り当てる区間の速さは分けて考えます。

PSKは同じ周期の波を基準からずらす

同じ周期で半周期ずれた二つの波の模型

PSKでは、搬送波の位相を情報に応じて切り替えます。二値PSKであるBPSKの基本例では、基準に対して0度の波と180度の波を使います。180度は半周期のずれです。同じ時刻で一方の波が山なら、もう一方は谷になる関係として考えると、周波数の違いとの区別がつきます。

位相は、単独の波の山を見るだけで決める値ではありません。どの波、どの時刻を基準にするかが必要です。問題文に「同じ周波数」「位相差が180度」「基準波に対して」という表現があれば、周期の数を変えたFSKではなく、位相を使ったPSKを考えます。

独自例として、絶対的な基準に対する0度を0、180度を1へ割り当てます。0101を送る場合、各シンボルの位相は0度、180度、0度、180度になります。ここでは各区間の位相そのものからビットを読むルールを仮定しています。前の区間との差だけで読むルールを、途中で混ぜてはいけません。

前のシンボルとの位相差を利用する方式は、差動方式として区別します。「変化しなければ0、180度変化すれば1」という例なら、最初の基準状態と、その後の変化を追う必要があります。同じPSKの仲間でも、位相の状態へ割り当てるのか、位相の差へ割り当てるのかで読み方が違います。

差動符号化が通常の位相設定と別の設定として扱われることは、Keysightの変調設定の説明でも確認できます。基本情報の学習では、まず基本のPSKを押さえ、差動という条件が出たときに読み方を切り替えると整理しやすいです。

QPSKとQAMは状態の数え方を分ける

QPSKは四つの位相状態を使うPSKです。各状態へ00、01、10、11を割り当てれば、1シンボルで2ビットを表せます。位相角の基準を回転させた配置もあるので、角度の組を一つだけ暗記するより、「四つの状態へ二桁のビット列を対応させる」と理解しましょう。

QAMは、同じ周波数で位相が90度異なるI成分とQ成分を使い、それぞれの振幅を調整して合成する方式です。代表的な16QAMの信号点は、合成波の振幅と位相が異なる16通りの状態として扱えます。QAMの概要はROHMの変調方式の解説にも整理されています。

四角形の配置を使う16QAMを考えると、I成分の値を四通り、Q成分の値を四通り選ぶので、組合せは4×4=16通りです。「16QAM」という名前から、波の高さだけが16段階あると判断するのは誤りです。状態数は、二つの成分の組合せ全体で数えます。

信号点配置図では、横軸をI、縦軸をQとして、それぞれの組合せを点で表します。一つの点が一つのシンボル状態に対応します。原点からの距離や方向で合成波の振幅と位相を捉えられるので、波形の絵だけでは整理しにくい多値の方式を見渡せます。点へどのビット列を割り当てるかは、別途定めるルールです。

なお、4QAMはQPSKと同じ信号点配置になる場合があります。「QAMはどの種類でも振幅が必ず複数段階になる」と広げず、この記事では代表例である16QAMを中心に考えます。QPSKとQAMの関係は、村田製作所の多値変調の解説で確認できます。

方式を選ぶ独自問題で説明の根拠を確かめる

波形と信号点を並べて方式を比較する模型

次の四つは、方式の判別を確かめるための独自問題です。実際の試験問題の転載ではありません。方式名を選んだあとに、根拠になった語句を一つずつ説明してみましょう。

スクロールできます
説明答え判別の根拠
同じ周波数・同じ基準位相で、振幅を大小に切り替えるASK情報に応じて変わるのが振幅
同じ振幅で、二つの異なる周波数を使う二値FSK情報に応じて変わるのが周波数
同じ振幅・同じ周波数で、基準に対する位相を二状態に切り替えるBPSK位相の二状態を使う
直交するIとQの値を各四通りから選び、16状態を作る16QAM二成分の組合せで16状態を作る

「波形が変わる方式」という説明だけでは、どれも候補に入ってしまいます。変わる対象を振幅・周波数・位相へ言い換えることが解答の根拠になります。問題の絵を見たら、同じ時間幅の区間どうしを比較し、縦方向の高さ、横方向の周期、基準波との位置関係の順で調べると迷いにくくなります。

標本化・量子化・符号化は、アナログの音声などをビット列へする側の処理です。ここで説明した、できたビット列を搬送波へ乗せる処理とは役割が違います。PCM側の順番や容量計算を確認したい場合は、標本化・量子化・符号化とPCMデータ量の解説へ進んでください。

基本情報のディジタル変調でbaudとbpsを計算する

同じ数の送信区間に異なる数のビットを割り当てる模型

baudはシンボル数、bpsはビット数を数える

ビットは0または1を表す単位です。シンボルは、変調で選ぶ一つの信号状態を一つの区間で送る単位と考えます。二値方式なら1シンボルへ1ビット、多値方式なら1シンボルへ複数ビットを対応させられます。まずは「1回の送信区間で、何通りから一つを選べるか」を考えましょう。

baudは1秒に送るシンボル数、bpsは1秒に送るビット数です。800baudなら1秒に800シンボルを送り、各シンボルが2ビットなら1,600bpsになります。数字の800は共通でも、数えているものが違います。ビットとシンボルの定義は、Keysightのビットとシンボルの説明で確認できます。

baudを「波形が実際に変化した回数」とだけ覚えると、同じ状態が続くときに困ります。たとえば二値方式で0000を四つの等しい区間で送る場合、状態が区間境界で変わらなくても、四つのシンボルを送っています。シンボルの区切りは送信タイミングで定まり、目に見える変化が毎回必要なわけではありません。

また、搬送波の周期数もシンボル数ではありません。あるシンボル区間の中で搬送波が何度も振動することがあります。波の山を数えるのは周波数を調べる操作で、baudを求めるにはシンボル区間の長さや、1秒のシンボル数という条件を使います。

状態数を2の累乗にしてビット数を求める

1ビットなら0と1の2通り、2ビットなら00、01、10、11の4通りです。3ビットなら8通り、4ビットなら16通りになります。したがって、M個の識別可能な状態をすべて使い、固定長nビットを各状態へ一対一で対応させるとき、M=2のn乗という関係を使えます。

この前提で、1シンボルのビット数nはlog₂M、ビット速度は「シンボル速度×n」です。式ではビット速度[bps]=変調速度[baud]×log₂Mとなります。Mが2の累乗なら、対数を難しく計算する必要はなく、「2を何回掛けた数か」を考えれば十分です。

スクロールできます
状態数M2の累乗1シンボルのビット数同じ1,200baudでのビット速度
22¹1ビット1,200bps
42²2ビット2,400bps
82³3ビット3,600bps
162⁴4ビット4,800bps
642⁶6ビット7,200bps

ここで計算したのは、変調のシンボルへ対応付けたビット列の速度です。誤り訂正のために加えたビットや、フレームの制御情報などを含む場合、利用者のデータ速度とは一致しません。その追加分を無視する問題か、別に条件が与えられる問題かを確かめてください。

状態が三つなど、Mが2の累乗でない場合には、すべての状態へ同じ長さの二進ビット列を余りなく対応させることはできません。log₂3をそのまま「1シンボルへ固定長の1.58ビットを入れる」と読まないことが大切です。この記事の例題は、2、4、8、16、64という状態数を使います。

計算前に三つの条件をそろえる

状態数とビット数を整理する学習のイメージ

計算は、方式名からいきなり掛け算へ進むより、状態数、1シンボルのビット数、シンボル速度の順に整理するほうが確実です。問題にQPSKとあれば四状態、16QAMとあれば16状態と確認し、式のMへ入れる数を決めます。

  • 状態数Mを特定し、方式の数字をビット数と取り違えない
  • M=2ⁿから1シンボルのビット数nを求める
  • 求めたい単位がbpsかbaudかを確かめて掛け算・割り算を選ぶ

単位を残すと式の向きが見えます。「シンボル/秒×ビット/シンボル」なら、シンボルが消えてビット/秒です。逆にビット/秒をビット/シンボルで割れば、シンボル/秒が残ります。公式を一つ暗記するより、何を1秒に数えるかを意識すると逆算にも対応できます。

kbaudやkbpsが出る場合、この例題ではkを10³として扱います。同じkが左右にある計算は数値のまま扱えますが、baudとkbpsが混在するなら、1,000倍の換算が必要です。問題文に独自の単位条件があれば、その指定を優先します。

QPSKの速度を求める例題

独自例題1です。QPSKで2,400baudの信号を送るとき、変調に対応するビット速度を求めてください。四つの状態を固定長で使い、誤り訂正や制御情報の追加分は考えないものとします。

QPSKは四状態なので、4=2²から1シンボルは2ビットです。よって2,400×2=4,800bpsとなります。2,400回分のシンボル区間それぞれに、二桁のビット列が対応すると考えると、答えの4,800という数値を確認できます。

誤答の9,600bpsは、四状態という数をそのまま4ビットとして掛けたものです。4ビットなら16通りを区別する必要があります。2,400bpsという誤答は、二値方式と同じ1ビット/シンボルとして扱っています。間違えたときは掛け算そのものより、4から2ビットを求める段階を見直しましょう。

同じ2,400baudのBPSKなら2,400bpsです。この比較は、シンボル速度が同じという条件で成り立ちます。QPSKという名称だけで、任意のBPSKの装置に対して実際の速度が必ず2倍になる、とまでは言えません。比較する基準を残すことが大切です。

必要なbaudや状態数を逆算する例題

独自例題2です。8PSKで9,600bpsを表すために必要な変調速度を求めます。8=2³なので、1シンボルは3ビットです。シンボル速度は9,600÷3=3,200baudになります。3,200に3を掛けて9,600へ戻ることまで確かめれば、式の向きを検算できます。

独自例題3では、2,000baudで8,000bpsを表すために必要な状態数を求めます。まず1シンボルのビット数は8,000÷2,000=4ビットです。必要な状態数は2⁴=16通りになります。「4」という中間結果を、そのまま四状態と答えないでください。

状態数の逆算は、速度を割ってnを求めたあと、2のn乗へ戻す二段階です。変調速度を求める問題ではnで割って終わりますが、状態数の問題ではその先が必要です。最後に選択肢の単位や問いの名詞を読むと、ビット数と状態数の取り違えを防げます。

二つの例題も、状態をすべて固定長で使い、追加の符号化ビットなどを別にする前提です。必要な状態数が計算できても、その状態を現実の受信機で十分な品質で区別できるかは別に確認する必要があります。

16QAMと64QAMを同じ条件で比べる

16個と64個の信号点を同じ枠で比べる模型

独自例題4です。変調速度を6kbaudにそろえ、16QAMと64QAMのビット速度を比較します。16=2⁴なので16QAMは4ビット/シンボル、64=2⁶なので64QAMは6ビット/シンボルです。追加分を無視すると、前者は24kbps、後者は36kbpsになります。

速度の比は36÷24=1.5倍です。状態数は64÷16=4倍ですが、ビット数は6÷4=1.5倍です。状態数を増やした倍率を、そのまま速度の倍率へ使うと誤答になります。速度の倍率を求めるときも、いったん各方式のビット数へ置き換えましょう。

一方、同じ送信電力の範囲で信号点を多く詰めると、近い点どうしを雑音の中で区別する条件が厳しくなることがあります。Open UniversityのQAM教材では、点の配置と雑音による誤認の関係が説明されています。

したがって、この計算は「同じ変調速度なら、何ビットを対応させられるか」の比較です。帯域幅が必ず同じ、誤り率も同じ、アプリの通信が必ず1.5倍になる、という保証を付け足してはいけません。実際の通信条件と、問題で置いた計算条件を分けて読むことが必要です。

シンボル時間から変調速度を求める

独自例題5です。1シンボルの時間が0.25ミリ秒である16QAMについて、変調速度とビット速度を求めます。0.25ミリ秒は0.00025秒なので、1秒に入るシンボル数は1÷0.00025=4,000です。変調速度は4,000baudになります。

16QAMは4ビット/シンボルなので、ビット速度は4,000×4=16,000bps、すなわち16kbpsです。1秒に0.25ミリ秒の区間が4,000個並び、各区間が4ビットを表す、と考えれば二つの計算がつながります。

検算には、シンボル時間とシンボル速度を掛けます。0.00025秒/シンボル×4,000シンボル/秒=1です。0.25を秒のまま扱うと4baudになってしまうため、時間の単位を先にそろえましょう。ここで求めている時間はシンボル一つの長さであり、ファイル全体の転送時間ではありません。

符号化や制御情報があるときは速度を分ける

独自例題6では、16QAM、5,000baud、符号率3/4という条件を考えます。ここで符号率は「誤り訂正符号化後のビット数に対する、符号化前の情報ビット数の比」と定義し、制御情報や再送などの追加分は考えないものとします。

まず変調へ対応する符号化後のビット速度は5,000×4=20,000bpsです。符号化前の情報ビット速度は20,000×3/4=15,000bpsになります。20,000個のビットのうち、条件上の割合で情報に相当するのが15,000個、と考えます。

20,000÷3/4という計算は、情報ビット速度から符号化後の速度を逆算するときの向きです。今回は符号化後から情報側へ戻すので、情報の割合を掛けます。符号率と書かれていても、どちらを分子とする定義かを問題文で確かめることが大切です。

この15,000bpsも、アプリでファイルが届く実効速度と断定はできません。実際には制御情報や待ち時間なども関わります。データ量と実効速度から時間を求める別の学習は、基本情報のデータ転送時間と単位換算の解説で整理できます。

最後に単位と条件で誤答を見つける

ビットのまとまりと送信区間を確かめる復習の模型

独自の確認問題です。①二値FSKを1,500baudで送る、②四状態を使って6,000bpsを表す、③32状態を2kbaudで送る、という三つの条件について、順にビット速度、変調速度、ビット速度を求めてみてください。すべて固定長の対応とし、追加分は無視します。

①は二状態で1ビット/シンボルなので1,500bpsです。②は四状態で2ビット/シンボルなので6,000÷2=3,000baudです。③は32=2⁵から5ビット/シンボルなので2×5=10kbpsです。答えの数値だけでなく、bpsとbaudを使い分けられたかも確認しましょう。

スクロールできます
よくある誤り修正する考え方
四状態だから4ビットを送れる四状態は2ビット。16状態で4ビット
baudは波が変わった瞬間だけを数える同じ状態が続いても、各区間でシンボルを送る
搬送波が10kHzだから10kbps搬送波の周期数だけではシンボル速度は決まらない
PSKなら常に1ビット/シンボルBPSKは1、QPSKは2、8PSKは3と状態数で確認する
64QAMは16QAMの4倍のビット速度同じbaudなら6/4=1.5倍
式のbpsはそのまま利用者の実効速度符号化や制御情報などの条件を別に確認する

帯域幅Hzから速度を求める問題では、ここまでの式だけでは足りません。シンボル速度と帯域幅の関係は、方式や波形整形などの条件に依存します。Open Universityの帯域幅の説明でも方式ごとの関係が扱われています。Hzをbaudへそのまま置き換える前に、問題が必要な条件を与えているか確認してください。

復習では、正解した問題にも「方式を判別した語」「Mからnを求めた式」「求める単位」の三つを書き添えると、暗記と計算を一緒に確かめられます。ネットワークの周辺分野を整理するには、基本情報のネットワーク分野の学習ガイドも役立ちます。

説明を読んだあとに問題文から条件を拾う練習を続けたい方は、基本情報の過去問演習を利用できます。この記事の例題は理解を確かめるための独自問題なので、数値を覚えるより解き方を再現してみてください。

基本情報のディジタル変調のまとめ

方式の判別は、ASKが振幅、FSKが周波数、PSKが位相です。QAMは直交する二成分を使い、代表的な16QAMでは振幅と位相の組合せで16状態を作ります。QPSKの四状態や16QAMの16状態は、1回に送るビット数そのものではありません。

計算では状態数Mを2の累乗へ直し、1シンボルのビット数nを求めます。固定長でM個の状態を使う前提なら、bpsはbaudにnを掛け、baudはbpsをnで割ります。状態数を逆算するときは、速度の比からnを求め、2のn乗まで戻します。

最後に、同じシンボルが続いてもbaudの区間は進むこと、搬送波の周波数は別の量であること、符号化や制御情報を含めた実効速度は別に扱うことを確認しましょう。この三つを残せば、公式が合っているのに条件の読み違いで失点する場面を減らせます。

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